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「日米連携、中国には硬軟両様で」前米国家情報長官

本社、米CSISの共催シンポ

(更新)
基調講演するブレア前米国家情報長官(19日、東京・大手町)

基調講演するブレア前米国家情報長官(19日、東京・大手町)

日本経済新聞社と米戦略国際問題研究所(CSIS)は共同で第7回シンポジウム「安保改定50周年、どうなる日米関係」を19日、東京・大手町の日経ホールで開催した。米側出席者らは尖閣諸島や南シナ海における中国の強硬姿勢に懸念を表明し、日米が結束して対応すべきだと呼び掛けた。日本の自衛隊が世界の安全保障でより大きな役割を担えば、日米安保同盟が強化されるとの指摘もあった。

デニス・ブレア前米国家情報長官は基調講演で「中国指導部は『調和の取れた世界』を掲げるが、その実現に向けての責任は半分しか果たしていない」と指摘。「もう半分は偏狭な形で国益を追求している」と述べ、日米などは「中国と協力する一方で、中国の『自国優先』を阻止するため結束しなければならない」と硬軟両様で対応すべきだと強調した。

ブレア氏は米太平洋軍司令官を経て、オバマ政権で複数の米情報機関を束ねる国家情報長官を務めた。尖閣諸島沖の衝突事件について「中国が勝者との見方が大勢なようだが、私は明確な勝者も敗者もいなかったと見ている」と指摘。そのうえで、日中双方とも相手側がいかに真剣かを今回認識し、将来に備えそれぞれの戦略を見直しているのが現状だと分析した。

討論する(手前から)五百旗頭、ハムレ、ナイ、シャーマン、スミス、石破、長島の各氏

日米関係については、冷戦の終結や日本の政権交代を踏まえ「より対等な関係」を求める声が日本の一部で強まっていることに理解を示した。ただ「日米関係見直しはバランスの取れたものでなければならない」と強調。日本側が望む見直しが「在日米軍の縮小、核の傘の保証、尖閣問題での明確な米国の支持であれば、日本は朝鮮半島や台湾(海峡)で戦争が起きた際にはより大きな軍事的役割を担わなければならない」と述べた。

続く午前の討論では、ハーバード大のジョセフ・ナイ教授が「中国の軍事増強は懸念すべきであり、日本が防衛予算をある程度増額することが望ましい」と明言した。

「日本は防衛予算を増額すべき」と語るハーバード大ジョセフ・ナイ特別教授

「日本は防衛予算を増額すべき」と語るハーバード大ジョセフ・ナイ特別教授

ウェンディ・シャーマン元米北朝鮮政策調整官は「(11月の)米中間選挙では(保守派の草の根運動である)茶会党が推す候補が躍進するとみられ、ポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭しそうだ」とし、「孤立主義が懸念され、日米両政府とも市民との対話が必要となってくる」と語った。

米外交問題評議会(CFR)のシーラ・スミス上級研究員は「米側は日本の政治的変化を認識し、日本側の安全保障面での要望にどう応えていくかを考えていかねばならない」と述べた。

日本側では、民主党の長島昭久前防衛政務官が「南西諸島の(有事を想定した)日米共通の(対処)計画が詰められていない。尖閣事件は日米同盟にとっても警鐘となった」と指摘した。自民党の石破茂政調会長は「日米同盟は強化されているとは思わない。有事の調整メカニズムが動くのかなどについて検証が急がれる」と主張した。

討論に続いてジョン・ハムレCSIS所長が講演し、中国から日本へのレアアース(希土類)の輸出が滞っている問題について「中国が軍事戦略の一環として経済を利用した初めての事例だ」と強調。「今回の直接的かつ迅速な経済的報復は、非常に危険な動きだ」と中国の対応を批判した。

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