2019年1月23日(水)

ロシアとエストニア、国境画定条約に調印

2014/2/18付
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【モスクワ=田中孝幸】ロシアとバルト3国のエストニアは18日、モスクワで両国間の最大の懸案だった国境画定条約に調印した。旧ソ連時代の1945年に引かれた現状の境界線をロシアの主張通りにほぼ追認する内容。両国の議会の批准を経て発効する。ロシアが抱える大きな領土紛争は日本との北方領土問題を残すだけになる。

ロシアのラブロフ外相は調印後の記者会見で「国境の法的画定は(関係強化の)大きなステップとなる」と評価した。

領土交渉では当初、エストニアは1920年の独立時のタルトゥ条約で定めた国境線の回復を主張した。

ロシアは40年に旧ソ連に併合されて西側に移行した境界線での決着を要求。ロシアが実効支配し、エストニアの国土の5%に当たる約2300平方キロメートルが係争地域となってきた。

その後、最優先課題である欧州連合(EU)加盟に当たって領土紛争が障害になりかねないと判断したエストニアが譲歩。2005年には領土回復要求を取り下げ、旧ソ連時代のロシア、エストニア両共和国の境界を踏襲することで合意した。

ただ、世論の批判におされたエストニア議会が批准段階で条約に「第2次大戦でソ連に不法に併合された」との前文を追記。ロシア側が「領土問題の再燃につながる文言だ」と反発し、条約の撤回を決めた経緯がある。

12年に再開した今回の領土交渉で両国は歴史認識を巡る問題を事実上棚上げし、相互に新たな領土要求をしないとの条項を盛り込むことで一致。旧ソ連時代の境界線に約1平方キロメートルの土地を交換する微修正を加える国境画定で最終合意した。

ロシア側にはEU加盟国との最後の領土紛争の解決により、EUとの経済関係を拡大したい思惑もある。ラブロフ外相は会見で、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンでつくる関税同盟とEUとの自由貿易協定の近い将来の締結に期待感を示した。

ロシア側はエストニアを含めた各国とのこれまでの領土交渉では第2次大戦による旧ソ連の領土拡大の是非を巡る議論に一切応じない姿勢を堅持している。ラブロフ外相は会見で北方領土に関し「これは領土紛争ではない」と強調。第2次大戦の結果は国際的に認められているとしたうえで「問題解決への協議ではこの現実を出発点にすべきだ」との考えを改めて示した。

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