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東ティモール大統領にルアク前軍司令官

東ティモール大統領選の決選投票は17日、連立与党の中核政党「東ティモール再建国民会議(CNRT)」が全面支援するタウル・マタン・ルアク前軍司令官(55)が対立候補の東ティモール独立革命戦線(フレティリン)ルオロ党首(57)に大差で当選した。成長戦略を主導するグスマン首相を後ろ盾とするルアク氏は、日本企業が参画する液化天然ガス(LNG)計画で自国領土の陸上生産を主張。日本は生産性が高い洋上生産を想定するが、東ティモールが反対し続ければ暗雲が立ちこめそうだ。

ルアク氏はグスマン氏の「右腕」として20年以上も独立闘争を繰り広げた軍事専門家だが、選挙戦では貧困層保護や若年失業者の雇用創出などを強く訴えた。グスマン政権が昨年まとめた2030年までの「戦略開発計画」の目玉は、南部地域の産業集積地開発。石油・ガス、製造業を育成し雇用創出を図る構想だ。

東ティモールはオーストラリアとの共同開発海域にある「バユ・ウンダンガス田」の天然ガスを原料に豪ダーウィンでLNGを年300万トン生産する。国際石油開発帝石、東京電力、東京ガスの3社が出資。ほぼ全量が日本向けだ。

現在、計画中のグレーター・サンライズ鉱区(年産400万トン)開発も大阪ガスが出資する。だがグスマン氏は南部地域の陸上にプラントを建設する案を主張し、日豪などが当初合意していた洋上生産に反対。日豪はインフラや人材が未整備の東ティモールでの陸上生産を想定しておらず、事業が頓挫する可能性も高まった。

大統領選は7月に予定する議会選の前哨戦の性格もあり、与党連合は議会選でも優位に立った格好。大統領は国家元首で法案の拒否権などを持つが、政治の実権は議会が指名する首相が握る。

このままグスマン首相が実質的な政権運営を続ければLNGなど天然資源に加え、製造業の技術移転なども要求を強めるとみられる。5月に独立10周年を迎える東ティモールの「自立成長」路線を巡り、日本など周辺国は微妙なかじ取りを迫られそうだ。(ジャカルタ=渡辺禎央)

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