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ドイツ再生エネ普及策、連立協議の焦点に 利用者負担3倍強に

ドイツの再生可能エネルギー普及策に伴う電力料金の負担増への不満が強まり、次期政権を巡る連立協議の焦点の一つに浮上してきた。2014年の利用者負担は13年比で約2割増え、脱原発政策を決める前の10年に比べ3倍強に膨らむ。負担を大企業と中小企業・一般家庭の間でどう分かち合うのか、今のところ最適解は見えないままだ。

「ここ数年の賦課金の上昇スピードは受け入れがたい。新政権にとって制度見直しは重要課題だ」。アルトマイヤー環境相は15日、利用者の負担増を素直に認めざるをえなかった。

独送電会社の発表によると、再生エネの普及に伴い電気料金に上乗せする賦課金は14年、1キロワット時あたり6.24セント(約8.3円)と13年比で18%増える。

政府は12年から発電設備の導入コスト低下に合わせて機動的に買い取り価格を引き下げる措置を打ち出したが、電力需要が伸び悩むなかで賦課金の基準となる市場での取引価格も低下。再生エネの発電量自体が増え続けていることとも相まって賦課金が減りにくい状況が続いている。

欧州連合(EU)統計局によると、12年時点でドイツの家庭向け電気料金は1キロワット時あたり26.8セントとEU平均より36%高い。鉄鋼、化学などの大企業2000社超はは「国際競争力の維持」を理由に賦課金が減免されており、その分が中小企業や家庭にしわ寄せが行く構造になっている。

中小メーカー首脳は「フランスに比べ電気料金は2倍」と主張。欧州委員会は特定産業への国家補助に当たる可能性があると指摘する。

年初にはメルケル首相が率いる与党が14年分の賦課金を据え置く方針を打ち出したものの、野党の反対もあり連邦議会(下院)選挙後に先送りされた。賦課金の上昇に歯止めをかけらない政治に対し不満は強まる一方だ。

脱原発・再生エネ普及は、もともと保守系与党と連立協議に入った社会民主党(SPD)の政策。負担軽減の必要性でも各党は一致する。ただ、メルケル首相はこれまで電気料金を「支払い可能な範囲にとどめる」とするだけで明確な方針は示していない。SPDには電力税の引き下げで全体の負担を軽くするという意見もあるが、効果は不透明だ。

(フランクフルト=加藤貴行)

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