米欧FTA、7月交渉開始で合意 知財保護など幅広く

2013/6/18付
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【エニスキレン(英国・北アイルランド)=上杉素直】オバマ米大統領とファンロンパイ欧州連合(EU)大統領ら欧州首脳は17日、米欧間の自由貿易協定(FTA)交渉を7月に始めることで正式に合意した。関税引き下げだけでなく、規制や基準の統一や知的財産保護など幅広い分野の合意を目指す。世界の国内総生産(GDP)の約5割を占める貿易圏づくりが動き出す。

オバマ米大統領とファンロンパイEU大統領、バローゾ欧州委員長、キャメロン英首相らは主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)会場のロックアーンで会談。オバマ米大統領は会見で「高いレベルの包括的な合意を望む」と述べた。バローゾ欧州委員長は「米欧双方に政治的な意志がある」と強調した。第1回の交渉は7月上旬に米ワシントンで開く。

米EUの首脳は今年2月中旬にFTA交渉を開始することで基本合意した。米欧はそれぞれ国内・域内手続きを進めてきた。EUは今月14日、ルクセンブルクでの貿易相会合で全会一致で米国とのFTA交渉開始を合意。米国では米通商代表部(USTR)が3月20日にEUとの交渉開始を通知しており、90日の審査期間を経て交渉可能となる。

米国では米欧FTAを環太平洋経済連携協定(TPP)と並ぶ通商政策の柱に位置付けている。一方、EUも最大の貿易相手である米国とのFTAに期待を高めている。EU側の試算によると、将来的にはEUのGDPを0.5ポイント、米国分を0.4ポイント引き上げるという。

米EUともに早期の交渉妥結を目指すが、難題も多い。EUでは、フランスの強い反対を受け、映像・音楽分野については当面交渉の対象にはしないことを決めた。米側ではハリウッドなどのソフト産業から不満の声が上がる可能性が高い。

農業分野ではEU側が遺伝子組み換え作物や食品安全などの規制緩和は実施しないと表明しており、輸出拡大を狙う米国との間で激しい議論が予想される。

一方で米国は「シャンパン」に代表される欧州のブランド価値が高い地理的表示の使用を緩和するように求めている。

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