中国国債格付け見通しを引き下げ ムーディーズ

2013/4/16付
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【上海=土居倫之】中国の信用力に対する国際的な格付け会社の見方が厳しくなっている。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは16日、中国の国債格付け見通しをこれまでの「ポジティブ(強含み)」から「安定的」に引き下げたと発表した。地方政府の債務問題の解決が遅れていることなどを理由に挙げた。

中国の格付けについては、英米系のフィッチ・レーティングスが9日、「ダブルAマイナス(最上位から4番目)」から1段階引き下げて、「シングルAプラス」にしたと発表したばかり。ムーディーズは格付けは「Aa3」(ダブルAマイナスに相当)で変えなかった。

両社が中国の信用力の見通しを引き下げたのは、実質ベースの公的債務の国内総生産(GDP)比率が高まっている可能性があるためだ。

国際通貨基金(IMF)によると、中国の公的債務のGDP比率は22%(昨年末時点)と日本(236%)や米国(107%)に比べて大幅に低い水準になっている。

ただこの数字に地方政府が公共投資のために設立した資金調達会社の債務は含まれていない。こうした会社は公共投資を目的にしているため、単独では返済能力に乏しく、中国政府は将来救済を迫られる可能性がある。

フィッチの試算では、中国の実質的な公的債務のGDP比率は高く、地方政府傘下の資金調達会社の債務だけで「GDPの25%」という。

ムーディーズとフィッチは「シャドーバンキング」(影の銀行)と呼ぶ銀行以外の資金調達が中国で急拡大している点も将来のリスク要因として挙げた。

もっとも中国は外国人による国債などの証券投資を厳しく規制しており、国債の大半が国内で販売されている。このためムーディーズの格付け見通し引き下げを受けた16日の金融市場では目立った反応はなかった。

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