イスラエル、極右政党の勢い増す 22日に総選挙

2013/1/16付
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【カイロ=押野真也】イスラエルの総選挙まで残り1週間を切った。イランの核開発問題やパレスチナとの対立を背景に世論は一段と保守化。パレスチナ国家樹立を否定する極右政党が勢いを増している。ネタニヤフ首相が率いる右派政党の統一会派が第1党の座を維持する見通しだが、極右政党の党首の入閣も取り沙汰されている。イスラエルの外交がさらに強硬路線に向かう可能性もある。

選挙は22日に即日開票され、23日未明にも大勢が判明する見通しだ。最新の世論調査では、現在政権を握る右派政党の「リクード」と「我が家イスラエル」との統一会派が最大で39議席を獲得し、第1党になる見通し。ネタニヤフ首相が続投する公算が大きい。

選挙戦が終盤に入り、企業経営者出身のベネット党首が率いる極右政党「ユダヤの家」が支持を急速に伸ばしている。同党はパレスチナ国家の樹立を否定し、パレスチナ自治区があるヨルダン川西岸をイスラエルに併合するよう主張。対イランでも軍事介入を求めるなど、強硬な外交姿勢が特徴だ。

解散前の議席数は3議席だったが、今回の選挙では13~14議席まで勢力が拡大するとの調査結果が多い。中道左派の「労働党」に次ぐ第3の勢力になる可能性があり、政界での影響力が強まるのはほぼ確実だとみられている。

イスラエルは1948年の建国以来、特定の政党による単独政権が発足したことはなく、連立政権を組むのが通例。現地メディアの関心は早くも連立協議の動向に移っており、15日付の地元紙「ハーレツ」は「ベネット氏が入閣するのは確実だ」とのリクード幹部のコメントを引用している。

ネタニヤフ氏はベネット氏と個人的には関係が良好ではないため、連立を組まないとの見方もあるが、新政権に一定の影響力を持つとの認識で多くの識者の見方は一致しているようだ。

極右政党の躍進は外交政策に大きな影響を与えそうだ。現在のネタニヤフ政権は国際法では違法とされるヨルダン川西岸地区への入植を推進するなど強硬姿勢を示すが、選挙結果次第では、こうした対応がさらに進む可能性もある。

一方、パレスチナでは、これまで対立していた穏健派の「ファタハ」とイスラム原理主義組織「ハマス」が和解協議再開で合意するなど「統一国家樹立」の機運が徐々に高まっている。イスラエルとパレスチナの双方とも、暗礁に乗り上げている和平協議再開に向けた動きはなく、選挙後には両者の対立はさらに深まる可能性もある。

対米関係も複雑化しそうだ。ネタニヤフ首相とオバマ米大統領はイラン問題を巡り関係がぎくしゃくしている。関係修復の動きがあるものの、16日付のイスラエル紙「イディオト・アハラノト」は「(ネタニヤフ首相の強硬姿勢で)イスラエルは国際的な孤立に向かっている」とのオバマ米大統領の発言を引用。

これにリクード幹部が「選挙への介入」などと批判するなど、両者のしこりは解消していない。イスラエルの新政権が現在よりも強硬な外交姿勢を取れば、米国との関係修復が遅れる可能性が高まりそうだ。

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