パレスチナ議長、国連加盟申請を明言 米の説得失敗
イスラエル反発は必至

2011/9/17付
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【カイロ=花房良祐】パレスチナ自治政府のアッバス議長は16日、ヨルダン川西岸ラマラで演説し「国連で完全な権利を持つ加盟国となることを求める」と述べ、国連安全保障理事会への加盟申請を強行する方針を表明した。米国は加盟申請を断念させようとしていたが、説得工作は失敗した。イスラエルの反発は必至で、中東和平交渉と米国の中東政策への打撃は不可避な情勢だ。

アッバス議長は16日、「安保理に行く」と語り、正式な国家として国連に加盟申請する方針を明言した。パレスチナ自治政府の内部では従来、国連総会での多数決を経て「オブザーバー」という名目で事実上の国家承認を受ける案もあったが、アッバス議長は強行策を採用した。

米政府は、パレスチナが国連加盟を安保理に申請すれば拒否権を発動する方針を既に表明済み。イスラエルを擁護する米国に対し、アラブ諸国は批判を強めそうだ。

パレスチナは、約20年にわたって米国が仲介してきたイスラエルとの和平交渉は問題の解決につながらなかったとして、1967年の第3次中東戦争前の境界線を基に「パレスチナ国家」として国連に加盟申請する。パレスチナが今回のように米国との溝を深めたのは異例。93年にイスラエルとパレスチナが和解した「オスロ合意」以降の和平交渉の行き詰まりを象徴している。

パレスチナの国連加盟申請の狙いは「国連も承認する『国家』を不法に占領するイスラエル」という構図をつくることで、同国の不当性を際立たせることにある。

これに対しイスラエルは「交渉に基づかない一方的な動き」と激しく非難。首相府報道官は16日、中東衛星テレビ局アルジャズィーラに「(加盟申請をすれば)イスラエルとパレスチナの関係は以前とは違うものになる」と強調した。

イスラエル寄りの米国は、パレスチナ国家の樹立そのものには基本的に賛成しているものの、最近のパレスチナの国連での動きは批判。双方の直接交渉を通じたパレスチナ問題の解決を訴えている。米議会では申請に踏み切ればパレスチナへの援助を停止すべきだとの案も浮上している。

米国はヘイル中東和平担当特使、欧州連合(EU)はアシュトン外交安全保障上級代表を相次ぎ派遣し、パレスチナとイスラエルの双方と接触。イスラエルから譲歩を引き出した上で、パレスチナに申請をやめさせようとしていた。

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