中国不動産に海外マネー急増 1~10月48%
当局、引き締め強化も

2010/11/16付
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中国の不動産に海外からの資金流入が加速している。中国商務省が16日発表した今年1~10月の海外からの不動産への投資額は前年同期比48.0%増えた。米国などの金融緩和であふれたマネーが、中国での投資利回りに誘われている。将来の人民元相場の上昇をにらみ、元建て資産の買い増しも影響しているようだ。当局は追加の利上げも視野に入れながら投機的な資金の動きを警戒している。

中国では金融商品などの運用手段が乏しい半面、外国人による人民元建ての株式への投資は厳しく制限されている。このため海外の資金は、事務所や住宅などの用途で不動産に向かいやすい。最近は沿海部だけでなく高成長が見込める内陸部でも投資が活発だ。中国の主要70都市の不動産販売価格は9、10月に2カ月連続で前月を上回った。

中国の不動産市場でバブル懸念が再燃(北京市内で新たなマンション建築のため取り壊される家屋)=共同

中国の不動産市場でバブル懸念が再燃(北京市内で新たなマンション建築のため取り壊される家屋)=共同

中国商務省によると、10月単月の海外から中国への直接投資額(実行ベース)は前年同月比7.9%増の76億6300万ドル。15カ月連続のプラスで伸び率は9月の6.1%を上回った。

1~10月の累計は前年同期比15.7%増の820億300万ドル。業種別に伸び率をみると、製造業が2.5%だったのに対し、サービス業は28.0%に達した。サービス業の中でも不動産分野は5割近く増えた。

中国では国内の不動産投資全体に占める海外資金の割合は1%前後とみられる。ただ、商務省の姚堅報道官は16日の記者会見で「投機資金の流入を防がなければならない」と投資の過熱に懸念を示した。当局は安易な転売を狙った取引など「不動産バブル」の芽を厳しく監視する構えだ。

中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は同日、「物価上昇の圧力により注目する必要がある」と警告した。一方で人民銀が追加の利上げに踏み切れば、低金利が続く日米欧との金利差を広げ、投機資金の一段の流入を招くジレンマがある。輸出に不利な人民元高も急速に進みかねない。

中国政府は米国の金融緩和に批判を強める。その背景には、インフレを警戒しながらも利上げに動きにくい国内事情がうかがえる。(北京=高橋哲史)

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