米政権、不祥事収拾急ぐ 通話収集でメディア保護法検討

2013/5/16付
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米オバマ政権は15日、相次いだ不祥事の早期収拾に乗り出した。内国歳入庁(IRS)の不正な免税審査問題ではオバマ大統領自らが幹部更迭や再発防止策を表明。記者の通話記録収集では当局に透明な手続きによる調査を義務付けるメディア保護法の整備を進める。米議会内で与野党から反発が強まるなか、政権への打撃を最小限に食い止める狙いがある。

オバマ大統領は15日夕、IRSが保守系政治団体に免税審査を意図的に厳しくしていた問題で「IRSの不祥事は弁解の余地がなく、とても容認できないものだ」などとする声明を発表した。ルー財務長官と協議したことを明らかにしたうえで(1)スティーブン・ミラー長官代行の更迭(2)業務改善策の早期実施(3)免税審査に関する制度改革――などを発表した。

司法省によるAP通信記者らへの通話記録収集を巡っても、カーニー米大統領報道官が15日、司法当局による報道機関への介入を制限するメディア法の整備を支持する方針を表明した。同法は当局の調査要請に対して、記者らに情報源の開示を拒否する権限を認める。2009年に上院で提出されたが、成立しないままとなっている。

リビアの米領事館襲撃事件の経緯で、野党・共和党が「事実を隠蔽している」と批判している問題では、オバマ政権は15日夕、政府内でやりとりしていた電子メールなどを公表した。米中央情報局(CIA)による事前の警告や国際テロ組織アルカイダが襲撃事件に関与したことを示す記述を政府内の協議で削除した経緯を示す資料で、共和党が公表を求めていた。

オバマ政権はこれまでこうした不祥事に対して直接の関与を否定し、事態を乗り切る構えだった。だが、共和党は多数を握る下院の関連委員会などで徹底して政権の責任を追及する構え。移民制度改革や銃規制、連邦政府の債務上限を巡る与野党協議など懸案が山積するなかで、オバマ政権は早期の事態収拾が不可欠と判断。大統領自ら収拾策に乗り出した。

共和党のベイナー下院議長は15日、IRSの不正免税審査を巡り「だれが辞任するかを問題にしているのではない。だれが法的な責任を取るのかどうかが問題だ」とさらに追及していく考えを明らかにした。オバマ政権の事態収拾策に共和党が納得するかどうかは不透明だ。(ワシントン=中山真)

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