国連「シリアでサリン使用、ロケット弾で」 調査報告

2013/9/17付
保存
共有
印刷
その他

【ニューヨーク=杉本貴司】国連は16日、シリアの化学兵器使用に関する調査報告書を公開した。被害が大きかった首都ダマスカス郊外のグータ地域で、ロケット弾により神経ガスのサリンを「比較的大規模に使用した」と断定したが、化学兵器を使ったのがアサド政権か反体制派かについては調査していない。

潘基文(バン・キムン)国連事務総長は16日の記者会見で「これは戦争犯罪だ」と強く非難。国連は米ロ外相の合意を踏まえ、シリア化学兵器の申告と査察、廃棄という手続きの円滑な履行を支援していく考えだ。

報告によると調査団は50人以上の生存者などから聞き取り調査し、土壌など30の「環境サンプル」を採取。生体サンプルも採取した。85%の血液サンプルからサリンの陽性反応が出た。土壌などの多くからもサリンの使用を確認した。

一連の調査から「サリンを搭載した地対地ミサイル弾によってグータ地域でサリンが使用されたという、明白で説得力のある証拠が得られた」と結論付けた。

国連安全保障理事会は16日午前、非公開会合を開き、潘基文氏がシリア現地調査の結果を説明した。報告書は15日に調査団のセルストローム団長が潘氏に提出していた。

米ロ外相は、シリアの化学兵器を2014年前半までに廃棄させることで合意。アサド政権も化学兵器禁止条約に加わり、これを受け入れる。米ロ合意は化学兵器の廃棄が進まない場合、「安保理が国連憲章7章に基づく処置を取る」とした。憲章7章は安保理の判断で武力行使も可能とする内容だ。

国連安全保障理事会は報告書で化学兵器使用の実態が明らかになったことを受け、シリアへの制裁を盛り込んだ決議案の作成を急ぐ。米ロ間には合意の解釈を巡って食い違いも表面化しており、安保理がどこまで強い制裁を盛り込んだ決議案を作れるかが焦点となる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]