米医療機器大手メドトロニック、アイルランド同業を買収
【フランクフルト=加藤貴行】米医療機器大手のメドトロニックは15日、アイルランドの同業コヴィディエンを429億ドル(約4兆3700億円)で買収すると発表した。両社合計の売上高は270億ドルに達し、業界大手の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)に迫る。製薬業界で相次ぐ大型M&A(合併・買収)が医療機器にも広がってきた。
メドトロニックは心臓ペースメーカー大手で、コヴィディエンは手術用製品や人工呼吸器に強い。買収作業は現金とメドトロニック株式を組み合わせて2015年初めまでに終える。18年末までに8億5千万ドル以上の相乗効果を見込む。
メドトロニックは買収後、本社機能を法人税率の低いアイルランドに移す。事業本部を残す米国では今後10年、技術開発などに計100億ドルを投じる計画だ。両国で役割を分けていく。
米国の医療関連企業の間では、法人実効税率が12.5%のアイルランドに本社を移転する動きが続く。13年には製薬のアクタビスがアイルランド同業の買収で本社を同国に移した。米製薬大手ファイザーが英アストラゼネカの買収に動いた理由の一つも米国より低い英国の法人税だった。