「人民元」G20が焦点に 米財務省、為替報告の公表先送り

2010/10/17付
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【ワシントン=大隅隆】米財務省は15日、議会に提出する主要国・地域の為替政策に関する半期報告書の公表を先送りすると発表した。これにより中国の通貨人民元を巡る綱引きの焦点は11月中旬の20カ国・地域(G20)首脳会議をにらむ展開になる。米国は、人民元相場の上昇ペースが鈍ることを懸念しており、多国間協議で中国への圧力を強める構えだ。

「9月2日以降の人民元の上昇ペースは月1%以上に加速した」。ガイトナー米財務長官は15日の声明で、相場上昇が続けば人民元の過小評価が解消されるとの期待感を表明。対話を通じ人民元安是正を図る基本路線は維持した。

ただ11月2日の中間選挙を目前に控えた時期。米政府は同日午前、環境関連技術に関し米通商法301条に基づき中国の調査を始めたと発表。全米鉄鋼労働組合(USW)など対中強硬派への配慮を示したうえで、為替報告延期を公表した。

米政府はG20会議などの場で人民元改革を含む世界経済の不均衡是正に取り組む考え。人民元相場の上昇が継続するような環境を整えるのが狙い。だが、議会は対中制裁法案の成立を模索している。人民元の上昇ペースが鈍ったり、中国からの輸入増が続いたりすれば、中国を為替操作国として認定すべきだとの声が米国内で高まる可能性もまだ残っている。

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