【ワシントン=川合智之】バイデン米副大統領は15日、中国人民解放軍の房峰輝総参謀長とホワイトハウスで会談し、ベトナムなどと領有権争いを抱える南シナ海における中国の一方的な行動に深い懸念を示した。同海域における石油掘削などがベトナムやフィリピンとの対立を深めていると判断し、中国に自制を促した。
AP通信によると、バイデン氏は中国の軍制服組トップの房氏に対し、米国が紛争当事者のどちらかに肩入れすることはないとしながら「地域の平和と安定を損なう挑発的な行為は慎むべきだ」と述べた。
房氏は米軍の制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長とも15日に会談した。
ベトナムの反発を招いている、南シナ海の西沙(パラセル)諸島付近での石油掘削を巡り、房氏は会談後の共同記者会見で「中国の領海内だ」と訴え、領海内の通常の活動として続ける考えを表明した。
米国務省のハーフ副報道官は15日の電話記者会見で、中国が南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で滑走路を建設している疑いに関連し「紛争地における現状の大幅な変更や軍事化は、緊張を高める可能性がある」と中国を批判した。
房氏は日本が実効支配する沖縄県・尖閣諸島について「我々は魚釣島(尖閣諸島)の紛争を棚上げする姿勢を維持してきたが、日本の行動で以前のような平穏は失われた」と日本を非難。アジア太平洋の不安定要素として、北朝鮮、日本、南シナ海を挙げた。
一方、デンプシー氏は「挑発的な行動は対立につながる」「紛争解決に軍事力を使うのは挑発的だ」と述べ、中国に自制を促した。
両者は米中の軍事協力を進めることで合意した。大規模な軍事活動を相互に通知する仕組みづくりに着手したり、両者をつなぐテレビ会議システムを今秋にも構築したりする。両軍の相互対話を深め、第三国での共同演習も検討する。
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