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ロシア、黒海経由の欧州向けガス管着工へ ウクライナう回で

【モスクワ=石川陽平】ロシアの国営ガス会社ガスプロムは15日、欧州に天然ガスを輸出するための新たなパイプライン「サウス・ストリーム」を建設することを最終決定した。輸送能力は最大年630億立方メートルで、欧州連合(EU)のガス消費量の約8分の1に当たる。ロシアは欧州諸国へのエネルギー輸出を増やす戦略だが、欧州側にはロシア依存が強まることへの警戒が強い。

ガスプロムは15日、ガスパイプラインの経由国のブルガリアとの間で投資決定を採択。陸上部分で領内を経由する4カ国すべてと合意した。14日には海底部分の投資も決定しており、12月7日に着工する計画だ。2016年の第1四半期までに輸出を始め、18年には輸送能力を最大に引き上げる。

サウス・ストリームはロシア南西部からウクライナを迂回して黒海海底を通り、イタリア北部に至る全長2380キロのガスパイプライン。総工費は160億ユーロ(約1兆6千億円)に上る。運営会社にはガスプロムが50%を、残り半分をイタリアと独仏の資源エネルギー企業が出資する。

黒海海底を通る大規模な送ガス管の建設には、採算性や販売先の確保、カスピ海地域から欧州へ向かう別のガスパイプライン計画との競合などから、最後まで実現を危ぶむ見方があった。ガスプロム幹部は先週、輸送能力の3分の2は契約済みだと述べた。

ロシアがサウス・ストリームの建設に踏み切るのは、ウクライナ経由のパイプラインでの欧州向けガス輸出を減らす狙い。09年1月にガス料金を巡るウクライナとの対立で同国経由のガス輸出を一時停止し、安定したガス供給ができなくなった経緯がある。

ただ、EUはすでにガス消費量の約4分の1を占めるロシア産ガスへの依存がさらに強まり、ロシアがガス輸出を「外交の武器」として利用することを警戒。供給源を多様化する方針だ。中東からの液化天然ガス(LNG)輸入も増やしており、欧州がロシアからの輸入を増やすかどうかは不透明だ。

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