再生可能エネ買い取り負担金、13年5割増 独で見直し議論も

2012/10/16付
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【フランクフルト=下田英一郎】ドイツの一般家庭や企業の電気料金に上乗せされる再生可能エネルギー買い取りのための負担金が来年、大幅に引き上げられる見通しだ。テンネットなど独送電事業者大手4社の15日の共同発表によると、来年の負担金は1キロワット時あたり0.053ユーロ(5.4円)で今年よりも47%増える。買い取り制度の見直し論議などが活発になりそうだ。

ドイツの再生可能エネルギー法(EEG)では、地域の電力会社は一般家庭が太陽光などで発電した電力を一定の価格で買い取る義務がある。この買い取り価格が欧州電力取引市場での取引価格を上回ると、その差額が「負担金」として家庭や企業の電気料金に上乗せされる仕組みだ。送電事業者の見通しでは、再生可能エネルギーは依然割高なため、来年の負担金は総額203億6千万ユーロに達するという。

独メルケル政権は、昨年3月の東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて、2022年までの原発廃止を決めた。太陽光や風力など再生可能エネルギーによる発電を増やす方針だが、割高なエネルギーの買い取りコストが課題。負担の大幅増に対して企業からも反発が出ている。

独鉄鋼業界団体が15日発表した試算では、独鉄鋼メーカーが13年に支払う負担金は総額2億6千万ユーロ。今年より5割増える見通しで「国際競争力が大きく損なわれる」(同団体)と反発を強めている。独化学産業連盟も同日、「今の仕組みでは負担金は歯止めなく増える。すぐにも買い取り制度を見直すべきだ」との見解を表明した。

独経済も欧州債務危機の影響で伸び悩むなか、電気料金の引き上げは景気の失速につながる可能性がある一方、買い取り制度の縮小は再生可能エネルギーの普及に冷水を浴びせかねない。メルケル首相の再生可能エネルギー戦略も正念場を迎えた。

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