[FT]BPのロシア合弁解消は失敗とは限らない

2012/6/15 23:30
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(2012年6月15日付 英フィナンシャルタイムズ紙)

英石油大手BPはロシアの投資家グループAARとの激しい対立の末に合弁を解消、折半で設立したロシアの同業大手TNK-BPの株式50%をAARに売却すると発表した。投資家は悲しい結末と見なし、対ロ投資を避ける警告と捉えるかもしれないが、どちらの見方も間違いだ。

第1にTNK-BPは事業面も金銭面も成功を収めた。BPが支払った配当金は190億ドル、昨年だけでも37億ドルでBP本体の年間配当と大差ない。市場低迷でBPの株式売却益が予想幅下限の210億ドルとなっても、BPの2003年の投資額70億ドルの3倍となる。

第2に、ロシアではBPが身を置く石油・ガス業界が特別な規制や扱いを受ける。ロシアの石油専門家シャミル・ヤニキエフ氏が指摘したように、AARを合弁相手に選んだのはある意味では鋭い判断だった。

AARの投資家にはプーチン大統領やロシア政府高官と緊密なつながりを持つ者もいるため、状況が国有企業に有利に傾いても同社とBPの投資は守られた。

だがAARでさえ、国有石油会社重視の流れは食い止めきれなかった。TNK-BPは最も有望な海洋資源開発の入札から締め出され権益を奪われている。これがBPの合弁解消を対ロ投資にマイナスと捉えるべきでない最後の理由だ。BPは有望資源の開発権益を持つ国営企業と提携できるため、AARとの合弁解消を選択したようだ。

だが、BPはTNK-BPやロシアから締め出されないだろう。ロシアは困難を伴う北極海大陸棚の開発を成功させるため、BPのノウハウが必要となると認識しているからだ。BPとロシア国営企業の連携は、世界の石油資源の90%、産出量の4分の3を握る各国国営石油会社と親密な関係を築く同社の戦略と一致する。

地理的、政治的に困難な環境に飛び込み、リスクを負うのは石油メジャーの常だ。BPはTNK-BPでミスを犯しプライドも傷ついたが、金銭面では効果を上げた。これを訓戒とすべきではない。

By Neil Buckley

(c) The Financial Times Limited 2012. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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