2019年4月22日(月)

ユーロ圏経済、11年後半に減速 成長率は1.6%に
欧州委予測

2011/9/16付
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【ウロツワフ(ポーランド南西部)=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州委員会は15日、ユーロ圏の2011年の実質経済成長率が1.6%になるとの予測をまとめた。今年5月時点の予測値を据え置いたが、7~9月期は0.2%、10~12月期は0.1%に減速すると予測した。米国や中国の景気減速による輸出伸び悩みのほか、ギリシャを発端とする域内の財政危機が実体経済を下押しする。ユーロ圏各国の財政再建も短期的には景気押し下げ要因となる。

欧州委が通年見通しを据え置いたのは、1~3月期が0.8%(年率換算で3%超)の予想以上の成長を達成した「蓄え」による。今回予測では当面のユーロ圏景気を「ソフトパッチ(軽い踊り場)」と指摘。二番底に向かう景気後退にはならないとしているものの、「不確実性は極めて高い」と慎重にみている。

年後半については5月時点と比べ四半期成長率を約0.25ポイントずつ下方修正し、「年末には横ばい(ゼロ成長)に近づく」としている。米国をはじめとする世界経済の減速で輸出が伸び悩むほか、欧州の財政危機で企業や消費者心理が悪化し「内需も抑えられる」(経済・通貨担当のレーン欧州委員)とみている。

主要国の11年の成長率では域内で最大の経済力を持つドイツは2.9%と5月予測の2.6%から上方修正したが、フランスは1.6%(5月予測1.8%)、イタリアは0.7%(同1.0%)と引き下げた。イタリアは年後半はゼロ成長が続くと予測している。

今夏までEUは金融市場で緊張状態が続く一方、実体経済は底堅い景気回復が続く「二重経済」と位置づけていた。だが、金融市場でギリシャのデフォルト(債務不履行)観測が強まるなど、欧州の債務問題を巡る混乱は拡大する一方だ。

レーン委員は15日、「欧州の債務危機は悪化し、金融市場の混乱が実体経済を下押ししつつある」とし、市場混乱と実体経済悪化が「同時発生」していると警告。金融安定策、財政再建に加えて潜在成長率を引き上げる構造改革の断行を加盟国に訴えた。

金融市場ではギリシャのデフォルト観測が強まり、域内銀行の一部で銀行間の資金調達が難しくなりつつある。銀行は企業や家計への貸し出しに一段と慎重になるとみられ、金融の目詰まりも実体経済の足を引っ張る見通しだ。

EU27カ国の予測では、11年の実質成長率は1.7%と、5月時点から0.1ポイント下方修正した。資源高による物価上昇圧力はやや緩和され、11年のユーロ圏の消費者物価上昇率見通しは2.5%と0.1ポイント引き下げた。

欧州中央銀行(ECB)は今月8日、ユーロ圏の11年の実質成長率を今年6月時点の1.9%から1.6%に下方修正している。

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