米、原発推進に慎重論 緊急点検の提案も

2011/3/15付
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【ワシントン=大隅隆】米国で原発建設へ懸念の声が高まってきた。民主党のワクスマン下院議員ら4議員は14日、米国内の既存の原発が安全か緊急調査の実施を提案。下院エネルギー・商業委員会のアプトン委員長(共和)は16日の公聴会で、ジャッコ原子力規制委員会(NRC)委員長らの見解を聞く考えを示した。約30年ぶりの原発新設に動く米エネルギー政策への影響は必至だ。

民主党のマーキー下院議員は13日、「日本の災害は原子力発電所のもろさを示している」としてオバマ大統領に原発政策の再点検を求める書簡を送付。約20基の新規原子炉建設の一時休止と耐震性審査なども提案した。

オバマ政権側は米国の電力需要の2割を担う原発推進を堅持する構え。15日の下院歳出委員会でチュー・エネルギー長官は「原子力は重要なエネルギー源」と指摘。原発建設に360億ドルの政府保証を与えるオバマ政権の方針に理解を求めた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は「危機があおる監督への疑念」と題した記事を掲載。「日本の原子力行政に関する長年の疑念をよみがえらせつつある」として、規制当局「原子力安全・保安院」は海外への原発売り込みに力を入れている経済産業省の一部であると説明。原子力行政の担当部門が原子力規制委員会(規制担当)とエネルギー省(振興担当)に分割されている米国と比較した。

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「当初は政府と東京電力による不十分で一貫性がない情報が混乱をもたらし、解釈が難しかった」と解説。「だが当局者に近い業界幹部は当局が炉心溶融をほとんど制御できなくなりつつあるということに強い懸念を示している」と問題がより深刻だったと強調した。

米CNNテレビも「繰り返されたウソ」「ごまかしの歴史」などのテロップをかかげ、「政府が信用を失うと混乱が広がる」などの専門家のコメントを紹介した。

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