2019年9月16日(月)

中国、日本製品を批判 国営メディアでニコン標的

2014/3/15付
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【北京=阿部哲也】中国が国営メディアを通じて日本製品の批判キャンペーンに乗り出した。中国中央テレビ(CCTV)が15日夜「ニコンのデジタルカメラには欠陥がある」と批判する特別番組を放送。ほかの中国メディアも追随する可能性もあり、同社製品の中国での販売に影響する恐れが出てきた。背景には日中関係の悪化も関係しているとみられ、中国がたびたび繰り返す政治的な「外資たたき」の矢面に日本企業が立たされた格好だ。

中国で起きた外資批判キャンペーン
企業名内  容
2010年ソニー、シャープ、韓国サムスン電子など液晶テレビの保証が不十分と指摘
11年ホンダ、日産自動車、独BMWなど新車販売店による不正借り入れ疑惑を指摘
12年米マクドナルド賞味期限切れ食材の使用など、ずさんな店舗管理を批判
仏カルフール食肉品種や賞味期限の偽装を指摘
13年米アップル製品保証・サービス対応の悪さを指摘
独フォルクスワーゲントランスミッションの不具合を指摘
米スターバックス欧米に比べ中国の価格が高いと批判
14年ニコンデジタルカメラの品質問題を指摘

「ニコンの対応は我々を失望させるものでした」。毎年3月15日の「世界消費者権利デー」に合わせて放送する特番「3.15晩会」。今年は消費者権益保護法の施行20周年ということもあり、事前の注目度も高かった。目玉になったのがニコン製品の品質と保証対応を巡る批判だった。

CCTVが問題視したのは、ニコンのデジタル一眼レフカメラ「D600」。撮影した写真に黒い粒状の像が写り込む現象が多発しており、これは製品の欠陥だと指摘。ニコンの技術サービス担当者などの対応を隠し撮りし、会社側の対応も不十分だと主張した。

ニコンなど日本製カメラは中国でも圧倒的なシェアを持つが、すでにネット上ではCCTVの番組に同調するような書き込みが相次ぐ。ニコンの「D600」を巡っては米国でも消費者が製品の欠陥と不当表示を訴え、集団訴訟を起こしており、今回の報道が今後の販売に悪影響を及ぼす可能性も出てきた。

中国では毎年のように外資を狙い撃ちした批判キャンペーンが巻き起こる。中でも「3.15晩会」は視聴率上位に入る国民的人気番組で、影響力は絶大だ。13年には米アップルが「欧米などより保証期間が短く、中国を差別している」とやり玉に挙げられ、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が謝罪するという異例の事態に発展した。

番組には最高人民法院、最高人民検察院なども協力。放送翌日には人民日報など共産党・政府の息のかかった国営メディアが同様の批判キャンペーンを繰り返すことも多い。「外資たたき」で自国産業を守るほか、政治や外交の道具に利用しようという思惑が透ける。

昨年のアップル批判は中国製IT(情報技術)機器の調達制限などを巡り、米中が激しく応酬を繰り返したさなかに放送された。今年のニコンたたきも「安倍晋三首相の靖国参拝などへの意趣返しではないか」(外資系PR会社)との見方が出ている。

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