2019年3月23日(土)

消費税、11年度から段階上げを 日本にIMF提言

2010/7/15付
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【ワシントン=大隅隆】国際通貨基金(IMF)は14日、日本の経済・財政状況に対する年次審査報告を公表した。先進国で最悪の財政状況を踏まえ、2011年度からの段階的な消費税率引き上げなどの具体策を提言。消費税率が「15%になれば国内総生産(GDP)比で4~5%の歳入増になる」と例示した。参院選の民主党敗北で国内では消費税論議が後退しているが、海外では増税を軸とする財政再建の圧力は衰えていないことを表している。

報告書は、欧州の信用不安により日本の公的債務への懸念が強まっていると指摘。景気回復への影響に配慮しつつ、財政再建を進める必要があるとした。IMFは5月の対日声明で日本に消費税増税を求めたが、今回は複数のケースを想定し、財政再建の手法などを示した。

IMFの改革シナリオでは向こう10年の名目成長率を2%程度とし、11年度から17年まで4回に分けて消費税率を計10%引き上げる。社会保障費圧縮なども実施。15年から政府債務のGDP比率を徐々に引き下げる。

IMFは消費税上げを14年とする先送りシナリオも示したが、この場合、財政収支の改善が遅れ政府債務の水準が長く高止まりする。増税などを実施しないケースでは政府純債務のGDP比率は10年の121%から30年には250%に膨らむとしている。

増税などの財政改革の景気への影響についても試算。当初、3~5年間は成長率を年0.3ポイント程度押し下げるが、その後は公的債務減少による信認向上が投資や消費の増加につながると指摘。経済成長が加速するとの見方を示した。

日本政府は6月、20年度までに国・地方の基礎的財政収支を黒字化し21年度以降は債務残高を低下させる目標を打ち出した。IMFは報告書の分析のなかで「重要な一歩」としつつ、黒字化までの期間が長いとの認識を示した。増税などの具体策まで明確化しなければ、公的債務への監視を強めている市場の信認を得にくいと判断しているとみられる。

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