2018年5月25日(金)

北京の日本大使館に数千人、投石も 中国反日デモ

2012/9/15付
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 【北京=島田学】中国では15日午前、日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化したことに反発するデモが北京、上海、重慶など各地で相次いだ。反日デモが一斉に起こるのは8月26日以来。北京の日本大使館前には数千人のデモ隊が押しかけ、投石するなど暴徒化している。2005年や10年の反日デモを上回る規模になる可能性があり、日中関係が政経両面でさらに緊迫するのは避けられそうにない。

 15日のデモは、中国政府がデモを一部容認する姿勢を示したことや、中国メディアが尖閣を巡る日本批判を連日繰り返していることから、参加者が大胆になっている。

北京の日本大使館前で、日本政府による沖縄県・尖閣諸島国有化に抗議する反日デモの参加者(15日午前)=共同

北京の日本大使館前で、日本政府による沖縄県・尖閣諸島国有化に抗議する反日デモの参加者(15日午前)=共同

 大使館前でのデモは11日の尖閣の国有化以降、5日連続だが、規模は最大となった。参加者は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国のもの」「日本人は出て行け」などと叫び、石やガラス瓶を投げ込んでいる。公安当局は大使館前の道路を封鎖したが、デモ隊は建物前のバリケードを一部突破。押し戻そうとする武装警察ともみ合いになっている。

 内陸部の重慶市では、見物人を含めて3000人規模のデモが発生。四川省成都では、日系コンビニエンスストアの複数の店舗で15日朝までに、展示棚を倒されたり、レジを壊されたりするなどの被害が出ている。

 湖南省長沙でも、3000人規模のデモ隊が暴徒化したとの情報がある。上海市では中心部の日本総領事館前でデモが起こったが、公安当局が厳しく警備しており、大きな混乱はない。

 15日は江蘇省南京、同省蘇州、陝西省西安、雲南省昆明など少なくとも約20都市で、インターネット上で反日デモが呼びかけられている。大使館が在留邦人に不要不急の外出を控えるよう呼びかけ、現地の日本人社会の緊張感は高まっている。

 中国では毎年、満州事変の発端となった柳条湖事件の発生日に当たる9月18日前後は反日感情が高まる時期だ。ネット上では、16日や18日にも各地で反日デモに参加するよう呼びかける書き込みが相次いでいる。

 中国当局も「釣魚島は日本が中国への侵略戦争を通じて盗み取ったものだ」(楽玉成外務次官補)と強調。共産党の次期指導部発足を今秋に控え、尖閣問題や反日感情を国威発揚に利用する動きを見せ始めていた。

 一方で、当局はデモの矛先が共産党一党支配への批判に転じることは強く警戒している。デモが「許容限度を超えた行動」に至ったと判断すれば、抑え込みに動くとみられる。

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