2019年1月21日(月)

ロシア極東にLNG新構想 ロスネフチと米エクソン

2013/2/14付
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【モスクワ=石川陽平】ロシア極東に新たな液化天然ガス(LNG)の生産施設を建設する構想が浮上している。国営石油ロスネフチと米石油大手エクソンモービルが本格的検討に着手する。LNGの需要が急増する日本などアジア市場への輸出を目指すとみられる。日ロが共同建設で大筋合意している極東ウラジオストクでのLNG基地など他のLNG事業に影響を与える可能性もある。

ロスネフチとエクソンは13日、2011年に結んだ戦略的な協力関係を広げることで合意。極東でLNG事業を検討する覚書を交わした。さらにロシア北極圏の大陸棚の7鉱区を両社による共同開発の対象に加え、エクソンが進める米アラスカ州の天然ガス開発事業の権益25%を取得できる権利をロスネフチが得た。

エクソンとロスネフチは13日「共同の作業グループを今後、数週間で立ち上げ、入手可能な天然ガスの資源を利用するLNGプロジェクトの実現可能性を検討する」と発表。インタファクス通信によると、エクソンのロシア子会社のウォラー社長は13日夜、天然ガスの供給源として「サハリンのガス資源を見ている」と記者団に語った。

ロシア極東でエクソンとロスネフチが実施中の共同事業はサハリン沖の大陸棚開発「サハリン1」だけで、同事業には日本の官民が参加するサハリン石油ガス開発(SODECO)も30%の権益を持つ。売却先が決まらず一部生産にとどまっているサハリン1の天然ガスの活用が検討される可能性がある。

エクソンとロスネフチによるLNG事業は、検討が始まったばかりで実現するかどうかは不透明だ。ただロスネフチのセチン社長はプーチン大統領の側近で、政権に強い影響力を持つ。ロシアの資源開発で競う国営ガスプロムへの攻勢を強めている。

仮に極東での新たなLNG生産施設が実現に動き出せば、ガスプロムと伊藤忠商事や石油資源開発(JAPEX)などが共同建設で大筋合意しているウラジオストクのLNG基地計画や、既に稼働中のサハリン2のLNG生産事業と、アジア市場への輸出で競合しそうだ。サハリン1のガスはウラジオストクのLNG基地に供給されることも検討されている。

ロシアでは現在、ガスプロムや三井物産、三菱商事などが進めるサハリン2に唯一のLNG生産基地があり、年産約1000万トン規模で日本などに輸出している。13日にはプーチン大統領が燃料エネルギー産業の発展に関する委員会を開き、LNG生産の拡大に向け、LNG輸出の段階的な自由化を検討するよう関係当局に指示した。

ロシアでは国営ガスプロムが独占的にガスの輸出権を持つが、プーチン大統領の旧友のゲンナジー・チムチェンコ氏が共同経営者の民間ガス会社ノバテクやロスネフチのセチン社長がLNG輸出の自由化を求めている。今回の極東LNG構想の背景にも、資源権益を巡る争いがありそうだ。

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