2019年1月23日(水)

韓国、原発の新設継続 依存度35年に約3割に引き上げ

2014/1/14付
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【ソウル=小倉健太郎】韓国政府は14日の閣議で、電力供給に占める原子力発電の比率を2035年までにいまの26%から29%に高める長期エネルギー基本計画を決めた。計画済みの11基以外に5~7基の原発を新設する方針。日本での原発事故後に「脱原発」を求める意見もあったが、電力の安定供給や産業競争力の維持に配慮し、原発重視路線を維持する。

35年時点の電力需要のうち、設備容量ベースで約3割を原発でまかなう。原発は火力や水力など他の電源に比べて稼働率が高く、実際の発電量のベースでの原発依存度は30%から40%台前半に高まる。産業通商資源省は「エネルギー安全保障や温暖化ガス削減、産業競争力などを考慮した」と説明している。

韓国の原発は現在23基あり、建設中を含めた計画済みが11基ある。34基合計の設備容量は3600万キロワットで、35年までの長期計画で見込む4300万キロワットに及ばない。不足分の700万キロワットを埋めるため出力100万~120万キロワット級の原発5~7基の新設が必要になる。35年までに廃炉になる原発があればその分も新設を迫られる。

東京電力福島第1原子力発電所事故や韓国での原発部品の性能証明書偽造事件を受け、野党や市民団体などは原発依存度の引き下げを求めていた。このため韓国政府は計画策定前に官民で構成する作業部会を設置。同部会は昨年10月、原発比率を22~29%の間で設定すべきだとの勧告をまとめた。政府は上限値を採用し、原発拡大路線を明確に打ち出した。

08年に策定した第1次長期エネルギー計画では、30年に原発比率を41%(設備容量ベース)に高める目標を設定した。今回の計画ではこれより低い比率になったが、最終年度の電力需要を従来計画に比べて約4割高い水準に設定したため、原発による発電量自体は大きくは変わらない。

従来計画通り電力供給の41%を原発でまかなうには大量の原発新設が必要になり、建設候補地となる自治体の反発も見込まれる。電力業界関係者からは「無理な原発急拡大をあきらめ、現実的な拡大路線に落ち着かせた」との見方も出ている。

長期計画にはこのほか、原発の定期点検の主要項目を倍増させることが盛り込まれた。電力需要を抑えるため、電力の代替となる液化天然ガス(LNG)や灯油に対する減税も実施。企業の自家発電機など分散型電源や再生可能エネルギーの活用拡大も明記した。

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