2019年2月20日(水)

中国無人探査機、月面軟着陸 米ソに続き3カ国目

2013/12/15付
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中国の無人探査機、月面着陸に成功。世界で3カ国目(14日夜)

中国の無人探査機、月面着陸に成功。世界で3カ国目(14日夜)

【北京=山田周平】中国政府が打ち上げた月面探査機「嫦娥(じょうが)3号」が14日、月への軟着陸に成功した。将来の資源開発をにらみ、無人車を走行させて地質調査などを始める。月面に機器類を送り込んで探査するのは米国、旧ソ連に次いで3カ国目。中国は有人宇宙飛行と並ぶ大型プロジェクトの成功で宇宙大国の地位を固めたが、技術の軍事転用への懸念も強まりそうだ。

中国国営の新華社によると、嫦娥3号は14日午後9時(日本時間同10時)すぎ、月の「虹の入り江」と呼ぶ地域に着陸。2日の打ち上げ後、順調に目的地に到着した。米国の「アポロ計画」などから約40年遅れながら、宇宙技術を世界有数の水準に高めたことを示した。

14日、北京の宇宙飛行管制センターのスクリーンに表示された、「嫦娥3号」のイメージ映像=新華社共同

14日、北京の宇宙飛行管制センターのスクリーンに表示された、「嫦娥3号」のイメージ映像=新華社共同

嫦娥とは中国の伝説で月に住む仙女のこと。嫦娥3号は本体のほか、6輪の無人探査車「玉兎(伝説で月に住むウサギ)号」が探査に当たる。

機器などを制御して落下させる形での着陸は日本などにも実績があるが、月面での活動を前提にした軟着陸に成功したのは中国が3カ国目。玉兎号は時速200メートルで移動し、3カ月にわたって月面を探査。表面の画像を撮影するほか、レーダーを使って地下100メートルまでの地質を調べる。

月の土壌は核融合発電の燃料となる「ヘリウム3」が豊富とされ、チタンなど有用な鉱物資源も存在する。「実際に着陸して得られるデータは格段に多い」(日本の文部科学省筋)。中国は月面開発の国際競争の本格化をにらみ、嫦娥3号を通じて発言権を強めることを狙っているようだ。

中国の宇宙開発の歩み
1992年有人宇宙飛行計画「921計画」を正式発表
2003年初の有人宇宙船「神舟5号」打ち上げ
04年月面探査計画が「嫦娥プロジェクト」の名称で正式に始まる
12年「神舟9号」を打ち上げ、宇宙実験船「天宮1号」との有人ドッキングに成功
13年「嫦娥3号」を打ち上げ、月面着陸に成功
17年ごろ探査機を再び月面に送り、土壌の一部を地球に持ち帰る
20年以降独自の宇宙ステーションの運用開始
月面に宇宙飛行士を送り込む構想

中国は宇宙開発に積極的で、月面探査のほかに有人宇宙飛行に力を入れている。6月には、有人宇宙船「神舟10号」を打ち上げ、無人宇宙実験船「天宮1号」と中国として2回目の有人ドッキングに成功。2020年を目指す独自の宇宙ステーションの運用開始に向け、技術を蓄積した。

12年末には、中国版の全地球測位システム(GPS)「北斗衛星導航系統」がアジア太平洋地域を対象に稼働。米国が運用する既存のGPSとは別の世界を広げつつある。

一方、日米などは中国が宇宙技術を軍事転用することを強く警戒する。実際に、複数の地元メディアは「嫦娥3号の誘導技術は非常に先進的で、ミサイル開発に応用できる」などの中国の専門家の見方を紹介している。

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