ドイツの太陽光発電、新設半減 日米中台頭で首位陥落へ

2014/1/14付
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【フランクフルト=加藤貴行】世界の太陽光発電をけん引してきたドイツの市場が縮小している。2013年に新たに発電を始めた設備は12年比55%減の330万キロワットだった。前年割れは7年ぶり。買い取り価格引き下げの一方で太陽光パネルの価格下落が止まり、発電事業の収益性が落ちたのが影響した。日本や米国、中国に抜かれて首位の座を明け渡す見通しで、今後は世界の太陽光市場のけん引役がアジアや米国に移りそうだ。

太陽光発電関連の業界団体、BSWソーラーによると、ドイツは12年の新設が760万キロワットで世界首位だったが、13年は急減し、09年の380万キロワットを下回る水準まで低下した。

欧州太陽光発電産業協会(EPIA)の調べでは、12年時点では、中国が500万キロワットでドイツに次ぐ2位。米国が335万キロワット、日本は200万キロワットでこれを追っていた。この3カ国は政府の支援で市場が急拡大しており、13年にドイツを抜いたのは確実だ。

一方、11年に世界首位だったイタリアは、12年に64%減の344万キロワットに急減。13年も減少したもよう。これまで市場拡大をけん引してきた欧州の各国が急速に勢いを失っている。

ドイツの市場縮小の背景には、同国政府が12年の途中から買い取り価格の引き下げ姿勢を強めたことがある。

電気料金の急上昇を抑えるため、それまでの半年に1回程度の見直しから、直前の発電コストの実勢価格を反映した毎月の見直しに転換。買い取り価格は毎月引き下げられ、13年12月の太陽光の買い取り価格は1キロワット時あたり9.61セント(約14円)~13.88セントと2年間で約5割下落している。

一方、太陽光発電システムの導入コストは13年10~12月期は小幅ながら上昇した。割安な中国製品の流入で下落が続いていたが、昨夏に欧州連合(EU)が中国との間でパネルのダンピング(不当廉売)を巡り和解。中国側は欧州向け輸出を規制し、価格上昇の要因になった。買い取り価格が下がるなか、導入コストが上昇し、新規投資に急ブレーキがかかった。

また、BSWによると、13年の太陽光による発電量は297億キロワット時と、ドイツ全体の電力消費量の約5%に達した。ドイツでは小規模の太陽光発電は売電目的や産業用より高く買い取られる。一般家庭の通常の電気料金はなお上昇していることから、今後は家庭での導入が進む見通しだ。

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