ベトナム首相、サイト規制強化を指示
ベトナムの国営メディアは13日、グエン・タン・ズン首相が公安当局などに対し、共産党や国家の名誉を傷つけるような虚偽の情報を流すウェブサイトを厳しく取り締まるよう命じたと報じた。
ベトナムでは最近、いくつかのサイトが、大手銀行のアジア商業銀行(ACB)の創業者らが逮捕された事件をめぐり、首相の親族との関係を指摘するなどしている。首相自身の進退問題に発展するとの臆測も市民の間には飛び交っており、党・政府はこうした状況に神経をとがらせて規制強化に乗り出したとみられる。
首相は12日、公安省や情報通信省に違法行為を犯す組織や個人を集中的に調べ、厳しく対応するよう指示するとともに、党中央宣伝教育委員会や国営メディアには「正しい情報」を流すよう指導。公務員らにはこうしたサイト上の情報を読んだり、拡散したりしないよう命じたという。
一党独裁体制を堅持するベトナムでは言論の自由は制限されており、インターネットの規制やブロガーの摘発なども常態化している。(ハノイ=共同)