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伊国民投票、「福島」受け高い投票率

首相、早々に白旗あげる

【ジュネーブ=藤田剛】原子力発電所の再開を否決したイタリアの国民投票は、内閣不信任決議案など難局を何度も切り抜けてきたベルルスコーニ首相にとって大きな打撃となる見通しだ。在職中の首相が裁判所に出廷する義務を免除する特権についての法律の廃止も今回の国民投票で固まり、エネルギー政策以外でも窮地に追い込まれた。

国民投票について首相は実施の見送りを模索してきた。イタリアの国民投票制度は投票率がいつも50%を超えず、不成立が常態化し、政権の延命につながってきた。

原発の再開の是非を問う国民投票も今年1月に実施が決まった段階では、成立は困難とみられていた。しかし、福島第1原子力発電所での事故発生を受けて国民の脱原発への関心が急速に高まった。

スキャンダルと誤算が続いた首相は13日、投票率の発表前に報道陣に対し、「イタリアは原発にさよならを言わなければならないだろう」と述べ、事実上、白旗をあげた。刑事責任を回避するための出廷免除の特権も失い、首相の求心力が一段と低下するのは確実だ。

今回の国民投票は国際的なエネルギー政策にも影響する。ドイツやスイスに続き、イタリアでも「脱原発」が改めて明確になったことで、20日から国際原子力機関(IAEA)がウィーンで開く「原子力安全に関する閣僚会議」でも、脱原発に動き出した国々の発言力が増しそうだ。フランスは巻き返しに備える。

同会議で採択予定の閣僚宣言の最終案には「原子力の不使用を決定したり、段階的に撤退したりする国々を認める」との文言が盛り込まれた。日本は原発維持の姿勢を説明する見通しだが、激しい議論となりそうだ。

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