2019年7月22日(月)

竹島訪問、韓国メディアで批判も 時期や戦略巡り

2012/8/13付
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韓国では李明博(イ・ミョンバク)大統領の10日の竹島(韓国名・独島=トクト)訪問を巡り、支持の陰で時期や外交戦略への批判や疑問の声も浮上している。竹島が「韓国の領土」との主張には韓国内では議論の余地がない。だが国際社会に紛争地域との印象を与え、日本との関係悪化が北朝鮮包囲網や経済協力に響く負の側面もあるとの指摘もある。

「李大統領は外交的観点の冷静さを失った」。13日付の韓国紙、ハンギョレは政治・外交の専門家の意見をもとに、李大統領の竹島訪問をこう断じた。残り任期は6カ月。解決の見通しが立たない日韓関係悪化は「次期政権に負担を与えた」とも指摘した。同日付の京郷新聞も「任期末の(支持低落に歯止めをかけたいという)政治的計算が外交的な損失を呼ぶ」と批判した。

韓国では李大統領の竹島訪問そのものは、「わが国の領土に行くのは自然なこと」との受け止め方が大勢だ。リアルメーターが13日に発表した世論調査では、李大統領への肯定的評価は66.8%だった半面、否定的評価は18.4%にとどまった。

だが普段から李政権に批判的な論調が目立つメディアが中心とはいえ、訪問のタイミングや外交上の得失への考慮など戦略や手法に対する疑問が出ている。韓国日報は政府関係者の話として「韓日両国には領土問題で相手を過度に刺激しない一種の暗黙の合意があった」と紹介。だが今回の訪問で日本政府が竹島の領有権問題を国際司法裁判所に提訴する方向で検討に入ったのを踏まえ、「国際社会に独島を紛争地域と認識させる可能性が生まれた」とし、李大統領の行動を疑問視した。

李政権に比較的好意的な保守系メディアも支持一辺倒ではない。韓国政府が竹島近海の総合海洋科学基地の建設中断や今月中旬に予定していた竹島防衛訓練の延期も決めたことについて、夕刊紙の文化日報は「ちぐはぐだ」と指摘した。中央日報も「北朝鮮の変化期に安保協力の必要性も高まっている」とし、日韓の関係悪化が安全保障や経済など広範囲に及ぶ事態に懸念を示した。

もっとも日本が強硬姿勢をとるほど、韓国では李政権に批判的な勢力を含めて反日の結束感が強まる。ある知日派の外交専門家は「韓日両国は出口戦略を意識し、お互いに刺激するのを避けるべきだ」と指摘している。(ソウル=島谷英明)

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