2019年7月22日(月)

中国、市場との対話に腐心 中央経済工作会議

2010/12/13付
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【広州=吉田渉】中国が金融政策の運営に当たり、市場との対話に腐心している。12日に閉幕した「中央経済工作会議」は金融政策を引き締め方向に転換することを確認したが、金利引き上げなどは慎重に進める方針も強調した。市場は「予測の範囲内」と受け止め、13日の株式相場は上昇したが、追加利上げを巡る観測は依然くすぶる。利上げの時期を巡り市場との神経戦が続きそうだ。

13日の上海、香港の株式相場はそれぞれ前週末比で2.9%、0.7%上昇して引けた。香港・凱基証券(KGI)のディレクター、ベン・クォン氏は「経済工作会議の決定は市場予測の範囲内で、市場に安心感が広がった」と分析する。

工作会議開幕の10日に中国人民銀行が発表した預金準備率引き上げも株価の支援材料となった。準備率引き上げは金融引き締めの手段だが、企業の資金調達コストを引き上げる利上げに比べると景気への影響は小さいとされる。急激な引き締めへの警戒感はひとまず後退した。

ただ株式市場は警戒を解いたわけではない。東亜銀行(香港)のエコノミスト、トウ世安氏は「中国当局はさらに引き締め姿勢を強め、政策次第で株価は大きく揺れ動く」と予測する。

利上げ時期を巡っては預金準備率を引き上げたことで「来年の年明け以降」との観測が出ているが、「早ければ年内にも」との見方も依然残る。海通証券の李明亮マクロ経済アナリストは「2011年の利上げは2~3回ほどで計0.5~0.75%の引き上げになるだろう」と予測する。

中国の株式相場は中国経済の成長に期待して流入した過剰流動性が支える。7月初旬を底に回復基調にあったが、秋以降は引き締め懸念から調整局面が続く。当局が成長鈍化につながる政策を明確に打ち出せば、株式市場から一気に資金が流出するおそれもある。

中国は輸出けん引から消費など内需の底上げによる成長モデルへの転換を目指す。消費拡大を維持するためにはインフレ抑制が欠かせない。だがマネーを一気に絞って株価が急落すれば、自動車など高額商品の購入にブレーキがかかる懸念はぬぐえない。

工作会議は経済・財政政策でも市場を強く意識した方針を示した。「経済発展方式の転換加速に重点を置かなければならない」とし、ある程度の成長減速を容認する姿勢を打ち出した。だが一方で「積極的な財政政策を実施する」とも明記。インフラ投資が主導する現在の成長戦略にも目配りした。

一方、人民元の対米ドル相場の先行きについては市場では「11年の上昇幅は小幅にとどまる」との見方が強い。「人民元の上昇ペースが速すぎれば輸出に影響を与え、外部の投資資金を呼び込みかねない」(東亜銀行のトウ氏)。13日の上海外為市場で人民元は対ドルで下落。終値は1ドル=6.6670元で、前週末終値に比べ0.0114元の元安・ドル高だった。

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