2019年1月17日(木)

[FT]ビットコイン、危機を糧に成長を遂げよ

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2014/3/13 14:15
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米誌ニューズウィークが、インターネット上の仮想通貨ビットコインの考案者が米カリフォルニア州に住む64歳のドリアン・ナカモト氏だと報じたことは、ビットコインをかばう人たちにとって絶好の機会だった。東京にあったビットコインの大手取引所「マウントゴックス(Mt.Gox)」の破綻による信用危機から世間の関心をそらせるからだ。

ナカモト氏だと思われる人物を囲む記者やカメラマン(6日、カリフォルニア州テンプルシティー)=ロイター

ナカモト氏だと思われる人物を囲む記者やカメラマン(6日、カリフォルニア州テンプルシティー)=ロイター

本来なら、ビットコインにかかわる愛用者、ベンチャーキャピタリスト、新興企業などは一連の不幸な出来事を受け、いかに信用を再構築するかで頭がいっぱいのはずだ。ところがこの1週間、ビットコインの設計者だという事実を否定するナカモト氏の取り上げ方についてニューズウィーク誌を痛烈に批判することに大きな労力を傾けた。

こうした過剰反応は、ビットコインを一部の愛用者のものから、主流のテクノロジーに脱皮させる機会を妨げる。世界の決済ビジネスを混乱させる一方、両親に不意に寝室のドアを開けられた若者のように、詮索に逆上するのは許されない。

こんなことを言うのは、暗号化された通貨(それがビットコインかどうかは別として)が、銀行やクレジットカード会社の提供するものより安価で効率的な、決済や両替の手段になる可能性を信じているからだ。

潜在的な可能性がどうあれ、ビットコインは危機に直面している。ビットコインがすぐに信用を回復できなれば、メディアや消費者はあっという間に関心を失うだろう。

愛用者がビットコインに寄せる信頼はなお変わらない。米プリンストン大学のエドワード・フェルテン教授は「技術に対する信頼感は失われていない。ただ、ビットコインを扱う会社を警戒しているのだ」と語った。

■安全性確保へ取り組み始まる

ビットコイン向けの模擬ATMが披露された。ビットコイン取引所を運営する香港のANXBTCが、ビットコインの対面型販売店を開店(2月28日、香港)=ロイター

ビットコイン向けの模擬ATMが披露された。ビットコイン取引所を運営する香港のANXBTCが、ビットコインの対面型販売店を開店(2月28日、香港)=ロイター

この指摘は、一般の消費者にはピンとこない。ビットコインの技術は信頼できても、保有するビットコインが安全でなければ意味がない。銀行の基本的な機能は、預金者のお金を安全に保管することだ。ビットコインについても、それが大きな関心事だ。

技術と文化の両面を改善しないといけない。マウントゴックスの件はビットコインの粗削りな一面にすぎない。

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