米財務省「緩和後の日本注視」 円安誘導をけん制
為替報告書で 円は98円台に

2013/4/13付
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【ワシントン=矢沢俊樹】米財務省は12日、議会に提出した為替報告書で、日銀の金融緩和策が円安・ドル高につながったことに関連し、「競争的な通貨切り下げを慎むよう引き続き迫っていく」と明記した。円安加速を直接批判した表現はないが、12日のニューヨーク市場では米当局が日本の緩和策を懸念し始めているとの受け止め方が広がり、円相場は一時98円08銭まで上昇した。

為替報告書は半期に一度、米経済に大きな影響を及ぼす主要通貨の動向を同省が分析・評価して議会に報告するもの。

2月に主要7カ国(G7)が決定した「為替レートは目標にしない」とする緊急声明を引き合いに、日本に「G7合意を堅持するよう迫っていく」と強調した。一連の金融緩和が内需拡大につながるかどうか「日本の政策を注視」とも述べ、日本の緩和策が円安誘導につながる可能性に強い警戒心をにじませた。

日銀は4日、市場に供給するお金の量を示すマネタリーベースを2年で倍増させるなど「異次元」の緩和を決定。報告書は一連の緩和期待などから今年に入って4月初めまで円相場は対ドルで12.5%下落したとした。ただ、黒田東彦日銀総裁は「為替を目的にしていない」と述べている。

中国人民元については、当局による大量の為替介入で著しく減価した状態が続いているうえ、介入情報を開示しないなど為替市場の透明性も低いままだと批判した。だが、報復関税などの対象とする「為替操作国」の認定は今回も見送った。

【NQNニューヨーク】12日のニューヨーク外国為替市場では円相場が大幅続伸し、前日比1円30銭円高・ドル安の1ドル=98円30~40銭で取引を終えた。低調な米経済指標を受け、米国の金融緩和が長引くとの見方が強まり、ドルが売られた。米財務省の報告書を材料に、取引終了にかけて円を買い戻す動きが急速に広がった。米国では円安・ドル高で自動車など輸出企業の業績が悪化するとの懸念も出ている。

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