2019年2月23日(土)

リビア議長が謝罪表明 駐リビア米大使、襲撃で死亡

2012/9/12付
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【イスタンブール=花房良祐】リビア東部ベンガジで11日夜から12日未明にかけて起きた米領事館襲撃事件に絡み、スティーブンズ駐リビア米大使が死亡していたことが12日、分かった。他に3人の公館関係者も死亡した。オバマ米大統領は声明で4人の死亡を認めて襲撃を非難。リビア制憲議会のマガリエフ議長は謝罪を表明した。民主化運動「アラブの春」で独裁政権が崩壊した中東は治安が悪化する国が多く混乱拡大の懸念もある。

現地からの報道によると、武装した集団が11日夜からロケット弾や小銃などで領事館への攻撃を開始。大使は自動車で避難しようとしたところを砲撃された。

領事館を警備するリビアの治安部隊は激しい攻撃で撤収せざるを得なかったという。約35人の公館関係者は避難した。中東の衛星テレビ局アルジャズィーラは黒焦げになった領事館の建物や自動車を放映。それによると建物内部は群衆に荒らされていた。

死亡したスティーブンズ大使は米国務省の職業外交官。アラビア語に堪能な中東の専門家でエジプトやサウジアラビアでの勤務経験もある。昨年秋まで続いたリビアの内戦で反体制派を支援した米国政府の外交政策にかかわった。

襲撃事件の背景は明らかになっていないが、インターネットの動画投稿サイトにユダヤ系米国人がイスラム教の預言者を冒涜(ぼうとく)する映像を投稿したのがきっかけとなったもよう。この映像にはエジプトやチュニジア、レバノンなどイスラム世界で批判が噴き出し始めており、反米の動きは今後さらに広がりかねない情勢だ。

リビアの隣国エジプトの首都カイロでは11日、この映像に抗議する数千人が米国大使館前で集会を開き、一部が敷地内に侵入して米国旗を奪って破る事件が発生。12日には、エジプト最大のイスラム原理主義組織ムスリム同胞団が14日の金曜礼拝後に全土でのデモを呼びかけた。

リビアでも怒った群衆が米領事館を狙ったとみられる。イスラム過激派か旧カダフィ政権支持者が関与した可能性もある。

中東では独裁政権の崩壊に伴い民衆の抗議活動が過激化しやすくなっている。特に、リビアでは内戦終結後に武器の回収が思うように進まず、今回の事件で当局の治安維持能力の低さも露呈した形となった。混乱が続けば、各国が進める民主化プロセスにも影響を及ぼす可能性がある。

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