IAEA、「事故対応センター」設置 情報収集急ぐ
仏の核施設爆発

2011/9/12付
共有
保存
印刷
その他

 【ウィーン=藤田剛】12日に起きたフランス南部マルクールの核廃棄物処理工場の爆発事故を受け、国際原子力機関(IAEA)や周辺国は放射能漏れなどの事態を懸念し、情報収集を急いだ。仏当局は「放射能漏れはない」などと強調しているが、IAEAは「緊急事故対応センター」を設置。天野之弥IAEA事務局長は「事案はまだ起きたばかりで情報は限られている」と、仏当局に情報提供を呼び掛けたことを明らかにした。

 仏テレビ各局は発生直後から文字情報で刻々と状況を速報。事故現場は旧法王庁など世界各国から観光客が集まる名所を抱えるアビニョンから約30キロの距離にある。現地からの報道などによると、同市の消防当局者は「放射性物質の漏洩がないので、避難など特別な処置は講じていない」と話した。町の様子も普段と変わりがないという。

 一方、パリの株式市場では、同施設を所管するフランス電力(EDF)株が事故直後に7%近く急落した。

 事故が起きたマルクールの核施設はフランス南部ガール県に立地し、プルトニウム製造のため1950年代に稼働を始めたフランスで最も古い核施設のひとつ。核兵器の開発で役割を果たした。70年代以降は高速増殖炉による原子力発電など民生用途を多様化。使用済み燃料から取り出したプルトニウムを再利用するウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料も製造しているほか、放射性廃棄物の処理や原子力機器の解体、仏原子力庁(CEA)の研究センターなどとしても活用されている。

 AP通信によると、事故が起きた施設では爆発後に火災が発生。仏電力(EDF)広報担当者は12日、同通信に「沈静に向かっている」などと話したが、確認はできていない。

 情報が錯綜(さくそう)する中、折から定例理事会を開催中のIAEAも対応に当たった。天野事務局長は記者会見で「緊急事故対応センター」設置を発表。IAEA報道官は日本経済新聞などに「マルクールには非常にたくさんの原子力関連施設があるため、どの施設でどんな事故が起こったかはまだ把握できていない」と語った。IAEAは16日までの定例理事会の中で、今回の事故について討議する可能性もある。

 緊急事故対応センターは福島第1原発の事故後にも設置された経緯がある。IAEA内の専門家が24時間体制で事故に関する情報を収集し、加盟各国と情報を共有したうえで、対策などを検討する。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 13:42更新
9:41
東北 16:46
22日 20:18
関東 16:46
2:22
東京 15:28
15:01
信越 0:14
21日 2:00
東海 14:00
14:00
北陸 2:18
20日 21:30
関西 2:18
22日 20:27
中国 22日 21:57
21日 2:00
四国 21日 1:31
21日 1:31
九州
沖縄
12:00
11:40

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報