フェイスブックの進出観測、中国で広がる
会社側は「勉強中」

2011/4/12付
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交流サイト(SNS)世界最大手の米フェイスブックが中国に進出するとの観測が中国国内で広がっている。中国企業と提携交渉中とされ、相手として中国インターネット検索最大手、百度(バイドゥ)などの名前が浮上している。ただ、進出には民主化運動に関する情報削除など自主検閲の受け入れが必要とされており、フェイスブックの判断に注目が集まる。

中国政府系英字紙チャイナ・デーリーは12日、中国の民間ネット調査会社幹部のミニブログを引用し、フェイスブックが中国進出すると報じた。中国向けSNSの開設で百度と合意したと報じた中国メディアもあり、11日の米ナスダック市場では百度株の終値が前週末比2.7%上昇した。

報道に関しフェイスブックは「中国についてはいろいろと勉強している時期であり、利用者や広告主に利益をもたらす手法について評価している」とのコメントを発表。関係者は「事実上の否定」と解説する。百度はコメントをしていない。

フェイスブックの中国進出を巡る観測は昨年からくすぶる。昨年末にはマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が訪中し、中国大手ネット企業のトップと相次ぎ会談。携帯電話最大手、中国移動通信集団(チャイナモバイル)の王建宙董事長は「業務提携の可能性を話し合った」と明らかにしている。

中国当局は2009年7月の新疆ウイグル自治区での暴動を機にフェイスブックへのアクセスを制限している。ただ、専用ソフトの利用などで規制を乗り越える試みが広がり、最近では40万人が利用している。

チュニジアやエジプトの政変でもSNSは重要な役割を果たし、中国当局は警戒を強めている。中国各地で2月に始まった民主化要求集会「中国ジャスミン革命」の呼び掛けにもフェイスブックが使われている。

中国メディアは、フェイスブックと百度が立ち上げるのは現行サービスとは別の中国専用SNSと報じており、その場合は自主検閲を受け入れるとの観測も流れる。巨大市場進出は収益にプラスと評価する声がある一方、当局のネット規制を容認したと非難されるリスクもある。

中国当局が最も警戒するネット企業は自主検閲を撤廃した米グーグルとされる。中国のネット業界関係者は「当局は中国に友好的な振る舞いをしているザッカーバーグ氏を取り込み、グーグルに対抗したい思いもあるのでは」と分析する。(北京=多部田俊輔)

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