2019年6月27日(木)

[FT]アベノミクスで復活するミセス・ワタナベ

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2013/3/13 7:00
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(2013年3月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ミセス・ワタナベが帰ってきた。日本の家計の貯蓄を管理するこの架空の人物は、長らく鳴りを潜めていた。円高が進み、海外経済の見通しも悪かった過去18カ月間は、外国証券を3兆6000億円売り越していた。

■投資信託市場で新ファンド相次ぐ

アベノミクスの効果は消費者や個人投資家まで及び始めた=ロイター

アベノミクスの効果は消費者や個人投資家まで及び始めた=ロイター

しかし、世界第3位の経済大国の消費者や個人投資家まで「アベノミクス」の効果が及び始め、世界経済回復の期待が膨らむにつれて、この抜け目のないプレーヤーは世界各国の通貨や債券の市場で再び動き出した。

アナリストによれば、日本の個人投資家による海外証券投資の大部分を占める投資信託の市場では、新しいファンドが次々設定されている。

投信情報サービス会社リッパーによると、今年2月に新規設定された公募投信は計70本で、1月の3倍以上だった。野村アセットマネジメントが2月末に発売したブラジルレアル建てのファンドは620億円の資金を集め、レアル建てファンドとして3年ぶりの大型設定となった。

■海外へ向かう個人投資家の資金

現状では、既存の海外投資ポジションの利益確定により、日本の個人投資家による資金の引き揚げは新規の外国投資より多いと、三菱東京UFJ銀行のグローバル市場調査部門で欧州の責任者を務めるデレク・ハルペニー氏(ロンドン在勤)は指摘する。証券会社や資産運用会社によれば、今年になって外国のファンドから日本に引き揚げられた2050億円の大半は、日本の小型株や不動産投資信託(REIT)に流入して値上がりを演出したという。

だが、流れはすぐにも変わりうるとアナリストは話す。先週発表された政府の景気ウオッチャー調査(タクシー運転手や理髪師、ホテル経営者など景気の動きを間近で観察できる人々に聞く)の結果では、景気の現状はここ7年近くで最も良い状態に改善した。金融・財政両面での積極的な刺激策で景気を浮揚させると誓った安倍晋三首相の公約が効いた形だ。

野村証券が手掛ける月次の「個人投資家サーベイ」では、最新の調査で「株式」への注目度が「預貯金」を上回った。2010年1月の調査開始以来初めてだ。「いい兆候だ。新規の投信設定が好調なことと、円安がさらに進むという予想から、間もなく(日本からの)資金純流出が見られるだろう」。バークレイズの外為ストラテジスト、ビル・ディビニー氏(東京在勤)はこう語る。

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