2019年1月22日(火)

エジプト、軍主導の民主化に期待と不安
野党、移行計画を注視

2011/2/12付
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【カイロ=松尾博文】ムバラク大統領の辞任を受け、軍最高評議会が権力を掌握したエジプトでは、今後の民主化の進め方に焦点が移る。評議会はムバラク政権が野党勢力と合意した憲法改正や自由で公正な大統領選挙を保証するとしている。しかし、具体的な手順や日程は明らかでなく、軍政下でどこまで平和的な権力移行が実行されるのか期待と不安が広がっている。

軍による権力掌握に向けた動きは数日前から始まっていた。大統領が反体制派のデモ収拾に手を焼く中で、最高評議会は11日午前、「自由で公正な大統領選挙を保証する」との声明を発表。これまでの中立的な立場を転換してデモ収拾に本格的に介入を始めた。

1952年の王政打倒革命以来権力の中枢にある軍は、エジプト社会で大きな存在感を占める。ムバラク大統領退陣を求める反体制派からも敬意の対象と見られてきただけに、軍が前面に出る形での事態収拾は好意的に受け止められている。

反体制派指導者のエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は11日、「我々は何十年もこの日を待っていた。軍と協力して自由選挙の準備を進める」と歓迎した。

エジプトをめぐる今後の動き
2月11日ムバラク氏が大統領辞任、軍最高評議会が全権掌握
今後
 数カ月
大統領選挙への立候補要件の緩和など憲法改正作業
反体制派も参加した移行政権発足、軍最高評議会が権限を移行政権に移管
9月?大統領選挙

(注)軍最高評議会が現行憲法の停止を宣言しない場合は、4月中旬までに大統領選挙を前倒し実施する必要がある

しかし、現行憲法は大統領が辞任した場合、人民議会議長が暫定大統領となり、60日以内に大統領選挙を実施するよう定めている。こうした規定を無視する形で権力を握った軍部が今後の民主化や当面の統治をどのように進めていくのか見えていない。

評議会は11日夜の声明で、今後の改革の手順と手続きは新たな声明で示すとした。穏健派イスラム原理主義組織のムスリム同胞団の幹部は同日、「評議会の次の措置を待っている」と出方を注視する考えを示した。非合法扱いを受けてきた同胞団をどう扱うかは軍政の姿勢をはかる尺度となる。

そのほか、大統領選をいつ実施するのか、選挙までの統治組織に反体制勢力が加わるのかなど今日時点でははっきりしていない部分が多い。憲法停止など強硬措置を警戒する見方もあり、民主化プロセスが進む過程で反体制派とのあつれきが表面化する可能性もある。

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