2019年2月17日(日)

パキスタン総選挙、野党第1党に 米との関係焦点

2013/5/12付
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【イスラマバード=岩城聡】11日に行われたパキスタンの下院(定数342)選で、ナワズ・シャリフ元首相(63)が率いる野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派=PML(N)=が第1党となることが確実となった。単独過半数に届かない場合でも連立協議を経てシャリフ氏中心の政権に交代する見通し。同氏は米国の対テロ戦略に慎重な考えを示している。軍部とも微妙で、不安定な情勢が続く可能性がある。

シャリフ元首相は11日夜(日本時間12日未明)、地元の東部ラホールで「わが党が第1党となることは確実だ」と演説、事実上の勝利宣言をした。軍事クーデターが続いたパキスタンで、文民政権が任期を全うした上で選挙を通じ政権移行するのは初めて。

地元メディアの報道によると解散前に91議席だったシャリフ氏のPML(N)は現地時間午後3時(日本時間午後7時)時点、小選挙区だけで124議席を獲得した。

一方、同124議席だったザルダリ大統領(57)の与党パキスタン人民党(PPP)は32議席にとどまる。汚職と経済政策への批判が与党離れを招いた。

クリケットの元スター選手イムラン・カーン氏(60)が率いる野党パキスタン正義運動(PTI)は都市部の若者や女性の支持を受け33議席と、第2党になる可能性がある。

新首相は新たな議会を開いて決める。パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派が過半数を確保できない場合は、連立協議が必要となるが、ほかの勢力を圧倒する議席数を獲得した勢いを背景にシャリフ氏が3度目の首相に返り咲く可能性が高い。

新政権が抱える様々な課題の中で国際社会の注目を集めているのは米国が主導してきたテロとの戦いへの対応だ。特に、隣国アフガニスタンでの戦闘任務完了を来年末に控える米国は情勢を注視している。

イスラム保守派に近いシャリフ氏は選挙期間中、英国放送協会(BBC)の取材に対し、テロとの戦いからの撤退について「そうしなければならない」と明言。イスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動」については「米国が支援する作戦は最善ではない」と対話を訴えてきた。

一方、カーン氏も日本経済新聞に対して「米国による軍事的作戦に解決の道はない。むしろ我々は米国から切り離されるべきだ」と強調。「米国に対し従属的な関係は望んでいない」とも述べた。カーン氏がシャリフ派との連立協議に臨む状況になれば、こうした意見も無視できない。

今のところ米国政府は静観しているが、米ワシントン・ポスト紙は「米パ関係の様々な問題がより容易になるという楽観的な理由はなく、むしろ悪化する」と警戒を強める。

「どちらの政党も現在の治安や国家財政は、米国の協力がないと立ちゆかないことは理解している」と政治アナリストのシエド・ナジール氏は過剰な反応をいさめる。ただ、選挙中、世俗主義の与党3党への爆弾テロを続けてきたタリバン運動は対話の窓口として保守派のシャリフ氏を指名。武装勢力との関係は、米国の不信感を強めかねない。

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