2019年7月24日(水)

「悲願」のノーベル文学賞に中国沸く 莫言氏が受賞

2012/10/11付
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【大連=進藤英樹】莫言氏のノーベル文学賞受賞決定を受け、中国メディアは同氏の受賞を一斉に速報した。莫氏のインターネットのミニブログにはアクセスが殺到。情報規制もなく、2010年に民主活動家の劉暁波氏が平和賞を受賞した際などと対照的な反応を見せた。

「中国の作家として初のノーベル文学賞受賞者」。中国の国営中央テレビは11日午後8時(日本時間同9時)のニュース番組で莫氏の受賞をこう伝えた。

国営の新華社が速報したのを皮切りにテレビやネットのニュースサイトが相次ぎ報道。中国共産党機関紙、人民日報のサイトは「莫氏の受賞は著作の水準の高さを証明した」と高く評価した。

莫氏のミニブログには発表直後から「恭喜(おめでとう)」といった受賞を祝う書き込みが殺到。ブログのファンの件数は発表直前の約23万件から、1時間余りで26万件を突破した。

これまでの受賞者は中国当局が好ましくないと考える人物ばかりだった。一方の莫氏は中国が抱える矛盾などを描きつつも体制を揺るがすような批判はしていないため、中国メディアも表だって称賛している。だが、同国内では批判的な声も上がっている。

劉暁波氏らとともに一党独裁の廃止を求めて起草した「08憲章」に署名した四川省の雑誌編集者、冉(ぜん)雲飛氏は「莫氏は現在の中国で最も優れた作家とはいえないうえ、言論の自由が制限されている現状など社会体制に対する批判的な視点を持っていないため、受賞に値しない」と話す。

莫氏は欧州のブックメーカー(賭け屋)が日本の村上春樹氏と並ぶ有力候補として取り上げたことをきっかけに中国のネット上では「日中対決」として注目が集まっていた。ただ一般的に関心を持たれていたかというと疑問もある。

莫氏の代表作の一つで最も売れているとされる「蛙(邦題、蛙鳴)」でも発行部数は約20万部にとどまるという。書店の店頭でも数日前、「莫氏の作品は普段と同じで特に売れている訳ではない」(中国・大連の書店)との声が聞かれた。

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