2019年7月18日(木)

英暴動、政府が強硬姿勢鮮明に 軍支援要請も視野

2011/8/11付
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【ロンドン=上杉素直】英国各地に広がる暴動に、同国政府が強硬姿勢を鮮明にした。キャメロン首相は11日、夏季休会中の議会を臨時招集し、事態収拾へ軍の支援を要請する可能性を示唆。当局はプラスチック弾や放水車による鎮圧策も用意している。暴徒の一部に広がる犯罪行為を深刻視し、徹底鎮圧する方針を打ち出すことで、野党にくすぶる政権批判が世論に広がる事態を未然に抑える構えだ。

■プラ弾使用を容認 キャメロン氏は10日も前日に続いて治安に関する緊急会議を開催。「警察がどんな手段を必要としようと、どんな戦法をとる必要があろうと、法的な裏付けは得られる」と語り、暴徒への攻撃手段を広く容認する方針を表明した。

具体的には、警官による暴徒鎮圧用のプラスチック弾使用や放水車の投入が準備されている。英メディアによると、こうした攻撃手段は紛争が続いた北アイルランドで使われた例があるが、イングランドでは極めて異例。首相方針を踏まえて放水車を北アイルランドから搬送したという。

■警官数2倍超に 6日夜から続く暴動は、若者が携帯メールで連絡を取り合うなどしながら警察の配備が手薄な地域を狙い撃ちしていると伝えられる。各地で商店などへの暴徒の襲撃が始まってから警察の到着に時間がかかりすぎるとの不満も上がっており、英治安当局は一連の暴動が始まったロンドンでは夜間警官の配備数を6000人から1万6000人に増やす厳戒態勢を敷いている。

政府側は野党が展開する政策批判も意識する。昨年5月に発足した保守党政権は財政再建へ一律20%もの歳出カットを断行しており、野党労働党は警察や消防など治安関連の予算カットが暴動の連続を招いた一因だと非難。「必要なら(一律カットから外れた)海外協力のカネを治安に回すべきだ」(労働党議員)との指摘もあり、11日に臨時招集された議会審議でも、野党側は政府の責任を追及したもようだ。

■緊張なお残る キャメロン政権は米メディア大手ニューズ・コーポレーション傘下の英日曜大衆紙による盗聴取材問題で批判を浴びたばかり。各種世論調査によると、首相支持率は年初から30%前後で推移しており、目立って下落はしていないものの、暴動への対応に批判が集まれば一気に求心力が低下する恐れもある。

10日夜にロンドンでの暴動はひとまず沈静化に向かいつつある。ただ、同日未明には英国第2の都市バーミンガムで、暴徒から街を守ろうとしたイスラム系の男性3人が車にひかれて死亡。各地にはなお緊張が残っている。

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