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トルコ原発、日本の技術移転に期待 資源相に聞く

インタビューに答えるユルドゥズ・エネルギー天然資源相

【イスタンブール=花房良祐】日本勢の受注が決まったトルコの原子力発電所の建設計画に絡み、同国のユルドゥズ・エネルギー天然資源相は日本からの技術移転への期待が受注の決め手になったことを明らかにした。イスタンブールで10日、日本経済新聞のインタビューに答えた。日本と共同で技術系大学を立ち上げ、将来はトルコが自ら原発の運営や部品の生産にかかわる方針も示した。

トルコ政府は建国100年の2023年までにエネルギー分野に1300億ドル(約13兆円)を投資する計画で、日本勢に一層の積極参入を促した。

ユルドゥズ氏は「日本勢の計画は地場産業や雇用にプラスだ。技術を獲得でき、トルコ経済に好影響を与える」と指摘。その上で「できるだけ早期に日本とトルコで科学技術の国際大学を設立する」と述べた。日本の研究者からノウハウを学び、トルコのエンジニアを育成する考えも示した。

このほか原発を建設・運営する事業会社にはトルコ側から国営電力会社(EUAS)が最大49%出資すると言明。トルコ企業の資本参加を技術獲得につなげる意向だ。51%は伊藤忠商事を含む日仏連合が出資する。

日本勢は事業会社の設立から2年以内に、原発建設が地場産業や地元人材の育成に与える影響を調査しトルコ政府に報告する義務を負うという。出資比率や資金調達手法など詳細を詰めた上で、今年9~10月までに正式な契約を締結する。

3カ所目の原発建設に向けてはトルコの地場企業による部品生産を想定し「現地調達率は最低80%を目指す」と表明。「トルコ人エンジニアが原発を運営する」との目標も示した。3カ所目の建設地は「2年内に選定する」とし、日本勢が事業化調査(FS)を行うことで合意したことも明らかにした。

ただFSを実施しても「優先交渉権の獲得にはつながらない。現段階でどの国が有利かと指摘するには時期が早い」とも述べた。ロシアが受注した原発4基と、日本勢受注の原発のうち1号機を23年までに稼働させるほか、3カ所目の原発の建設も開始する計画だ。

ユルドゥズ氏は「日本と原発で協力できれば、どんな分野でも協力できる」と言及。省エネや再生可能エネルギーの分野で日本企業の参入を求めた。

一方、エネルギー天然資源省高官らによると、トルコ政府は原子力賠償制度に関する法案を年内にも国会に提出する見通し。原発事故で損害が発生した場合の対応を定めた改正パリ条約に基づくもので、事業会社の賠償の最低限度額は7億ユーロ(約924億円)と規定されている。

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