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習指導部の強権体質浮き彫り 「新公民運動」許氏に懲役4年

【北京=山田周平】中国の北京市高級人民法院(高裁)は11日、中国憲法の枠内で市民の権利向上を目指す「新公民運動」の中心人物である許志永氏(41)の上訴を棄却した。中国の裁判は二審制のため、許氏の懲役4年の刑が確定した。新公民運動は共産党一党支配を否定しない穏健な市民運動。今回の上訴棄却はそれでも締め付けに動く習近平指導部の強権体質を改めて示した。

起訴状などによると、許氏は2012年7月、大学受験生の親ら100人以上と教育省に入試改革を直訴。その際などに横断幕を掲げたり、ビラをまいたりしたことが公共秩序騒乱罪に当たるとされた。

当局は13年7月、許氏を逮捕・拘束し、同12月に起訴。1月に一審で懲役4年の実刑判決を受けた。

新公民運動は権利意識の高い市民が09年ごろに形成した緩やかなネットワーク。受験生の戸籍のある地方によって合格条件が異なる大学入試制度の改革と、汚職撲滅に向けた共産党・政府幹部の資産公開が主な主張だ。中国の現行の憲法や法律が定めた公民の権利に基づき、活動することを前提とする。

代理人の張慶方弁護士によると、許氏は裁判官が判決理由を読み上げる際、「でたらめな判決は人類の文明が進歩する潮流を遮ることができない」と声を上げた。「共産専制のもやは必ず晴れ、自由・正義・愛という太陽の光が中華を広く照らすことになる」と訴えた。

中国当局は新公民運動が影響力を増し、一般市民が共産党体制への不満を広く共有する事態を恐れているようだ。13年後半から締め付けを強め、許氏以外にも数十人が拘束されたとみられる。

公安当局は裁判が行われた11日午前、新公民運動の支持者による抗議活動を警戒し、法院周辺の道路を封鎖した。

警官らは海外メディアの記者のほか、中国の人権問題に関心を寄せる西側諸国の外交官も排除していた。

中国外務省の洪磊副報道局長は同日の記者会見で、許氏の刑が確定したことを「中国は法治国家であり、法律の前では誰もが平等だ。関連の判決は中国の司法機関が法に従って下した」と正当性を主張した。

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