2019年8月25日(日)

日銀総裁、欧州危機「初動の遅れで事態悪化」
英で講演

2012/1/11付
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【ロンドン=上杉素直】日銀の白川方明総裁は10日、ロンドン市内で講演し、欧州債務危機などについて「(政策当局やエコノミストの)最初の反応は問題の過小評価だった」と述べ、初動の遅れが事態の悪化を招いたとの認識を示した。「多くの先進国で中央銀行への期待や要求が高まっている」と指摘した上で、「中央銀行はすべての問題を解決できる組織ではない」と強調した。

総裁は「問題の過小評価」が1990年代の日本と最近の米欧のいずれの危機にも通じると分析。「国民の間では過小評価が尾を引いて金融機関への公的部門の支援への抵抗が強い」とし、「特に金融機関への公的資金の投入は、日本も欧米も極めて不人気だ」と語った。

中銀の危機対応では銀行への流動性供給の重要性を最初に挙げた。ただ「流動性供給の本質は『時間を買う』政策。時間を買うコストは着実に上昇する以上、その間に構造改革を進めることが重要」と強調した。会場のキング英中銀総裁の「金融政策に達成を期待できることには限界がある」という言葉も引用した。

講演の副題は「先進国は日本が過去に歩んだ『長く曲がりくねった道』をたどっていくのか?」。日米欧の危機の共通点を多く挙げる一方、97年の山一証券破綻時は日銀が無制限に流動性を供給したことなどで国際的な影響が限られ、2008年の米リーマン・ショックとは異なったと説明した。

総裁は講演後の質疑応答で、外国為替市場の円高傾向に関連して「過度な円高は短期的には日本経済を傷つけ企業心理を弱める」と述べた。

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