ハマスとファタハ、和解協議を再開 「統一国家」機運

2013/1/10付
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【カイロ=押野真也】パレスチナで対立する自治政府のアッバス議長と自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの指導者マシャル氏は、議長が率いる穏健派組織ファタハとハマスが和解協議を再開することで合意した。パレスチナの地位が国家並みに引き上げられたのを受け、「統一国家」を目指す機運が高まった。

両者は2011年5月に交わした統一政府樹立に関する合意案を履行することで一致した。両者の直接会談は約1年ぶりで、エジプトのモルシ大統領が仲介した。ハマス幹部は「とても良い雰囲気で話し合っていた」と語った。今後も継続的に協議し、和解に向けた具体策を話し合う見通しだ。

ファタハとハマスは自治区の主導権争いで対立してきた。自治政府が統治するヨルダン川西岸地区とハマスが実効支配するガザ地区は分断状態が続き、11年の合意案も棚上げされていた。

ここにきて和解機運が高まっている背景には、パレスチナが置かれる環境の変化がある。12年11月には国連でパレスチナの地位を国家並みに引き上げる決議案を採択した。「統一国家」を実現し、敵対するイスラエルや国際社会への発言力を高めたいとの思惑がある。

ただ、両者の和解協議は難航するとの見方もある。ハマスは昨年11月、イスラエルとの軍事衝突による停戦で、イスラエルによるガザ封鎖の解除を実現させて支持が高まっている。アラブ諸国の要人がガザを訪問するなど、国際的な影響力も強めつつある。

一方、経済不振などで自治政府を率いるアッバス議長への批判は強まっている。議長が率いるファタハの間には、勢いに乗るハマスへの警戒感が高まっている。今後、双方とも自らの組織に有利な条件での和解を求めて駆け引きが本格化しそうだ。交渉が再び暗礁に乗り上げる可能性もある。

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