米政府の情報収集、暴露は元CIA職員 亡命求める
【ワシントン=共同】英紙ガーディアンと米紙ワシントン・ポスト(いずれも電子版)は9日、米国家安全保障局(NSA)が市民の通話記録やインターネット上の情報をひそかに収集していたことを両紙に暴露したのは、米中央情報局(CIA)の元職員でコンピューター技術者のエドワード・スノーデン氏(29)だと明らかにした。
現在、香港のホテルに滞在している本人の了解を得て公開した。同氏はオバマ政権下で市民に対する監視が強化されたことに失望したと説明。ガーディアンが公開したインタビュー映像では「政府がプライバシーやインターネットの自由を破壊するのを許せなかった」と語った。
NSAは重大な機密漏えいだとして既に司法省に捜査を依頼。米政府が中国側に身柄引き渡しを要求し、起訴されれば厳罰を科される可能性がある。同氏は「表現の自由を信じる国に政治亡命を求めたい」とも語り、具体的にはアイスランドを挙げた。
スノーデン氏は最近まではハワイにあるNSAの施設で働いていた。暴露を決心し関連資料をコピー、先月20日に香港へと出国した。
同氏は米南部ノースカロライナ州出身で、米情報機関に関連する仕事に約10年間従事してきた。CIA在職時はジュネーブなどでITセキュリティーを担当。2009年にCIAを辞め、民間企業の社員として在日米軍基地でNSA関連施設の管理に当たったこともあるという。