2019年7月19日(金)

カントリー、ロック… BGMに候補の個性 訴訟騒ぎも
米大統領選2012

2012/2/14付
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米国の選挙運動に欠かせないものの1つが、支持者集会などで流すBGMだ。共和党の指名を争う各候補が好んで使うのはカントリーやロックで、予備選や党員集会当日のパーティーではお酒も入って踊り出す支持者の姿も目立つ。ただ、自分の曲が政治的な場で使われるのを嫌うミュージシャンもおり、使用差し止めの訴訟騒ぎも起きている。

「メキシコ国境から潮が押し寄せて来る。なぜガロンで買うんだ、バレルの方が安いぞ」――ギングリッチ元下院議長やロムニー前マサチューセッツ州知事の集会でよく耳にするのが、カントリー歌手トビー・キースの「アメリカン・ライド(American Ride)」。不法移民問題やガソリン価格高騰への不満などを歌ってヒットした曲で、候補が「中流層の味方」をアピールするにはもってこいのようだ。

ロムニー氏はロック歌手キッド・ロックの「ボーン・フリー(Born Free)」をテーマソングに選んだ。野性的なイメージのキッド・ロックの曲を使うことで、ロムニー氏の難点とされるエリート臭を薄めようとする狙いが見える。

大学生など若者の信奉者が多いポール下院議員には、ポップ歌手のエイミー・アレンが歌う「ロン・ポール・アンセム(賛歌)」というオリジナル曲がある。若者受けするパンク・ロック風のノリのいい曲で、ユーチューブで公開されている同曲のビデオは視聴回数が50万回を超えた。サントラム元上院議員は集会でもあまり音楽をかけない。

一方、ギングリッチ氏は集会で映画「ロッキー3」の主題歌「アイ・オブ・ザ・タイガー(Eye of the Tiger)」を流したところ、作曲者の1人が「無断で使用された」と訴訟を起こした。ギングリッチ氏は、英ロックバンドのザ・ヘヴィーからも曲の使用をやめるよう通知を受けた。ザ・ヘヴィーはフェイスブックで「自分たちは(ギングリッチ氏と)全く関係ないぞ」と怒りをあらわにした。

大統領選を巡る曲の使用差し止め騒ぎは珍しいことではない。すでに指名争いから撤退したバックマン下院議員は昨年、トム・ペティから「アメリカン・ガール」の使用差し止め通知を受けた。オバマ大統領も2008年にソウルの大御所サム・ムーアからの要求を受けて「ホールド・オン・アイム・カミング(Hold on I'm coming)」の使用をやめたことがある。

ミュージシャンの側としては、特定の政治家の集会で使われることで支持していると思われたり、イメージに影響したりすることを避けたいとの思いがあるとみられる。

ユーチューブで公開しているポール候補の応援歌ビデオ

ユーチューブで公開しているポール候補の応援歌ビデオ

音楽を効果的に使った大統領候補の元祖は、フランクリン・ルーズベルト元大統領と言われる。1932年の大統領選で軽快な「ハッピー・デイズ・アー・ヒア・アゲイン(Happy Days Are Here Again)」をテーマソングに使用。世界大恐慌後の有権者に、希望をもたらす候補とのイメージ作りに成功した。

日本でもよく知られている「ユー・アー・マイ・サンシャイン(You Are My Sunshine)」で有名なカントリー歌手ジミー・デイビスは、選挙運動でも同曲を歌って人気を集め、40年代と60年代にルイジアナ州知事に2度当選している。

クリントン元大統領のテーマソングといえば、英バンド、フリートウッド・マックの「ドント・ストップ(Don't Stop)」。「明日を考えるのをやめないで・・・きっと昨日より良くなるはずさ」と歌うこの曲を、クリントン氏は今でも登壇の際に使っている。(ワシントン=芦塚智子)

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