フクシマ懸念なお 英「汚染問題解決を」、米は首相演説評価
東京五輪決定で

2013/9/10付
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2020年の夏季五輪の開催地が東京に決まったことを各国のメディアも大きく報じた。他の候補地と比べた東京の安心感を指摘し、福島第1原子力発電所からの汚染に対する懸念の払拭を図った安倍晋三首相のスピーチを勝因と分析する論調が目立った。沖縄県・尖閣諸島や歴史問題などを巡り外交関係が冷え込む中国や韓国からは冷ややかな反応も出ている。

8日付の英フィナンシャル・タイムズ(電子版)は反政府デモが広がったトルコのイスタンブールや債務危機に直面するスペインのマドリードと比べ、東京には「安心感」があったと分析した。

米AP通信は「停滞する日本経済と精神の回復チャンス」と報道した。その中で国際オリンピック委員会(IOC)の委員が安倍首相の「スピーチに説得された」と伝えた。

英国放送協会(BBC)は「東京はアジアで初めて五輪を2度開催する都市」と紹介。安倍首相が福島原発の影響について「東京には今までもこれからも何のダメージもない」と強調したことが勝因と分析した。

同時にBBCは放射能漏れへの懸念も示し、「フクシマの人々にとってよかったのは、世界が今まで以上に間近に状況を注視することだ」と指摘した。「日本政府は(福島原発の汚染問題)解決に7年の猶予を与えられた」とくぎを刺した。

これに対し、中国の共産党機関紙・人民日報は9日付の運動面で事実を短く報じただけ。インターネットサイト運営の新浪の利用者アンケートでは9日夕時点で、東京開催を祝福するとの回答は約17%にとどまった。

中国外務省の洪磊副報道局長は同日の記者会見で、日本に正式に祝意を示すかとの質問に「中国オリンピック委員会に問い合わせてほしい」とだけ述べた。

韓国の朝鮮日報は9日付の社説で「隣国として喜ぶべきこと」としながらも「安倍政権は五輪誘致で受けた国民の支持を基盤に再武装の道に進むかもしれないという(近隣国の)憂慮もぬぐうべきだ」と主張。通信社の聯合ニュースは福島原発の「放射能汚染に対する根本対策をとってこそ全世界が五輪を安心して楽しめる」と指摘した。

招致戦に敗れたスペインの報道には無念さがにじんだ。日刊紙パイスは「マドリードにとって最もひどい悪夢」と報道。「最も裕福かつ、ドーピング対策が進んだ候補都市が勝利した」と東京の勝因を分析した。

トルコでは「(5月末から発生したエルドアン首相に対する)抗議デモがトルコの海外でのイメージを悪化させた」(大手紙ザマン)といった敗因分析が多かった。

五輪招致が成功すれば首相が実績としてアピールするのは確実だっただけに、フェイスブックなどでは、首相に反発する若者らがイスタンブールの敗退に安堵するコメントを投稿。首相はこれに対し「負けたことを喜ぶなんて信じられない」と記者団に不満を漏らした。

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