2019年2月19日(火)

金正恩氏、個人独裁狙う ナンバー2張成沢氏解任
軍・党の世代交代急ぐ

2013/12/10付
保存
共有
印刷
その他

9日、北朝鮮の朝鮮中央テレビが放映した、8日の張氏(中)=聯合共同

9日、北朝鮮の朝鮮中央テレビが放映した、8日の張氏(中)=聯合共同

【ソウル=内山清行】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が、事実上、ナンバー2だった叔父の張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長を更迭した。後見役を排除し、北朝鮮独特の「1人独裁体制」をつくりあげるのが狙いだ。軍や党の世代交代は今後も続く見通しだが、権力集中を急ぐ姿に危うさを指摘する声も出ている。

北朝鮮メディアが9日に報道した張氏の失脚劇は、壮絶な内容だった。正恩氏も出席した8日の朝鮮労働党中央委員会政治局拡大会議では、張氏のすべての職務を解き、党から除名する決定書を採択。張氏が会議場から軍服姿の要員に連行される写真を放映した。

「表では党と首領に従うふりをしながら、裏で派閥的行為をした」。処分の第1の理由に挙げたのが、分派活動などの反党行為だ。正恩氏への忠誠に一点の曇りも許さない姿勢がにじむ。

北朝鮮は故金日成主席以来「国家の上に党があり、党の上に首領がいる」という統治体制を取る。個人による絶対独裁で、正恩氏もいずれは同様の体制を志向するといわれていた。ただ、若い正恩氏は父の金正日総書記の意向もあって、張氏らによる「後見体制」を敷いた経緯がある。

ところが、2011年末に正日氏が死去した後、後見グループとされた実力者は次々と一線を退いた。正日氏の葬儀で霊きゅう車の左右に寄り添った張氏ら7人の側近のうち、今も中枢にいるのは2人だけ。代わりに自らの側近で党人の崔竜海(チェ・リョンヘ)氏を軍総政治局長に送り込むなど「正恩カラー」の人事を繰り返している。

韓国統一省の9月末時点の分析によると、正恩体制になってから党や軍など主要幹部のうち44%が交代した。北朝鮮情勢に詳しい消息筋は「党や軍の世代交代は今後、加速する」と予測する。

忠誠競争で短期的に権力の集中が進むのは確実だが、急激な世代交代には不安も潜む。世宗研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)首席研究委員は「張氏の失脚で力を増す崔竜海氏の影響力を抑えることができなければ、政権の不安定要因になる」と指摘している。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報