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江沢民氏健在、指導部人事や鉄道行政に影響も

【北京=品田卓】江沢民前国家主席が9日の辛亥革命100周年記念大会に胡錦濤国家主席に次ぐ実質ナンバー2の序列の位置で姿を現した。3カ月前の共産党90周年大会を欠席し一時は死亡説まで流れたが、政治力を伴って復帰したとの見方が多い。江氏は人事や政策面で胡主席の対立軸とされる。来年秋に決まる共産党次期指導部の人事や行政などにも影響しそうだ。

一時、重病説も流れた江沢民・前国家主席が公の場に姿を現した(テレビ東京)

一時、重病説も流れた江沢民・前国家主席が公の場に姿を現した(テレビ東京)

記念大会の会場となった人民大会堂では9日朝、参加者の視線が壇上の名札にくぎ付けとなった。予想外の江氏の名に、メディア関係者らも一斉にざわついた。

江氏の健在ぶりが唐突に明らかとなり、波紋が広がりそうなのは鉄道行政だ。江氏は上海交通大を卒業。上海市長、同党書記を歴任し「上海閥」のリーダーとして長く君臨した。鉄道省が交通運輸省となお併存しているのも、江氏の隠然とした力が働いているためとの見方がある。

7月に浙江省で起きた高速鉄道事故をきっかけに、鉄道省には責任論や解体論の矛先が向かった。江氏の存在はこうした空気を変える可能性もある。政府は事故の調査結果を9月に公表するとしていたが、ずれ込み、今も見通しは立たない。胡錦濤政権は旧来型の行政にどこまでメスを入れられるかが問われている。

既得権益全般の議論に響く可能性もある。江氏は国家主席時代、私営企業家の共産党入党の解禁など党の裾野を広げることに努めた。その結果、利権ポストが膨らんだとされる。胡政権は貧富の格差縮小や汚職撲滅を目指してきた。改革の速度は引き続き焦点だ。

来年は共産党指導部が入れ替わる。習近平国家副主席が総書記に就き、次期国家主席を担うのは既定路線。習氏は高級幹部の子弟「太子党」で江氏に近いとされる。胡主席と同じ党青年組織出身の李克強副首相が首相になる可能性もなお高い。

焦点は共産党の指導部である政治局常務委員選び。国家主席、首相を含めて常務委員は現在9人。国家主席は総書記退任後も自らの発言力を残すため過半数を側近で固めようとする傾向が強い。胡主席は次の次の体制を視野に入れ、胡春華・内モンゴル自治区党委書記ら50歳前後の若手を登用しようとしているという。江氏の意見が反映しやすくなれば、世代交代が円滑に進むのかは予断を許さない。

共産党が中華人民共和国を建国して62年。今は第4世代と呼ばれる胡氏らが率いる。辛亥革命100周年という歴史的な節目に再登場した江氏は第3世代の顔だ。比較的しっかりとした振る舞いに人民大会堂は拍手で包まれた。江氏は健康状態を巡る臆測を交えながら、一定の影響力を保つ可能性が大きい。

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