重病説の江沢民前国家主席が公の場に 昨年末以来、健在示す
重病説などが流れていた中国の江沢民・前国家主席(85)が9日午前、北京の人民大会堂で開かれた辛亥革命100周年記念大会に出席した。江氏が健在ぶりを示したことで、来年秋の共産党大会に向けた次の最高指導部人事や政策全般にも微妙な影響が出そうだ。
江氏は胡錦濤国家主席に続いて中央のステージに登場。付き添いを伴いながらも、手を振りながらしっかりとした足どりで胡主席と温家宝首相の間に座った。国歌斉唱の際は助けをほとんど借りずに立ち上がった。
江氏が公の場に姿を現したのは昨年末に上海で京劇鑑賞が報じられて以来とみられる。江氏をめぐっては7月1日の共産党創立90周年を祝う式典の欠席をきっかけに重病説が流れ、一時は香港メディアなどが「死亡した」と報じていた。
共産党は15日から4日間の日程で第17期中央委員会第6回全体会議(6中全会)を開く。胡主席ら最高指導部が交代する5年に1度の共産党大会をにらみ、人事の調整が本格化する。(北京=高橋哲史)